スターバックスに自前のタンブラーを持ち込むと、料金の割引を受けられる。
実はそれ以外のカフェチェーンでも、マイタンブラー持参割引を受けられるところが増えている。東京都内にあるメジャーな店舗をまわって、実際の割引額とお店の使い勝手やサービス内容を比べてみた。
※2020年3月2日から新型コロナウイルスの感染予防のため、スタバのマイタンブラーサービスは一時休止になっています。
お店で尋ねたところ店内マグカップでの提供もなし。ただしマイカップを持ち込むと(注げないけど)割引だけ受けられるとの情報です。
(以下に掲載の価格・税額は2018年1月現在のものです)
タンブラー持ち込み割引額まとめ
今回調査した10店舗のマイカップ割引額は以下のとおり。
- スターバックス…20円引き
- タリーズ…30円引き
- 上島珈琲…50円引き(割引額最大)
- セガフレード・ザネッティ…20円引き
- エクセルシオール…30円引き
- ニューヨーカーズカフェ…20円引き
- シアトルズベスト…20円引き
- ブレンズコーヒー…20円引き
- カフェ・ド・クリエ…30円引き(テイクアウトのみ)
- ローソンMACHI dafe…10円引き
上島珈琲だけ50円と破格の値引き額だが、もとが高いので何とも言えない。
逆にローソンはたった10円引きとはいえ、コーヒー1杯100円~なので最大10%引きに相当する。
カフェ・ド・クリエのみ、容器持参でかつテイクアウトしないと値下げしてもらえない。自前のカップでも、店内で飲食すると値段は変わらない。
またスタバのドリップコーヒーは、2杯目お代わり値引きとマイタンブラー割引が併用できない。
狙いどおり値引きを受けるには、いくつか注意点がある。
同じ容器でコーヒーの量を比較
マイボトル割引で初心者が気になる点としては、
- カフェ公式のロゴが入ったタンブラーでなくても、値引きは受けられる
- 容器は蓋付き/蓋無し、ボトル/タンブラー/コップでも何でもOK
- 食後に洗浄をお願いすれば、マイカップでも軽く洗って戻してくれる
せっかく用意されている割引サービスなのだから、遠慮することなく堂々と利用すればいい。
各店舗でマイカップに注いでくれるドリンクの量を比較するため、入れ物はスノーピークのスタッキングマグ雪峰(H450サイズ)で統一した。
雪峰のマグは450mlと容量が大きいため、どのお店でもレギュラーサイズなら楽々収まる。
チタン製で軽いうえ二重構造で冷めにくく、直接手で触れてもヤケドしないのが利点だ。
コップが大きいと得をする
よく利用するスターバックスでは、店員さんによってドリップコーヒーを入れてくれる量が変わる。カップが大きいと目の錯覚が働くのか、標準カップより多めに注いでくれる場合が多い。
足しげく通って顔を覚えてもらえたせいかもしれない。どうやらマイタンブラー持参を続けると、店員さんがサービスしてくれる確率が高まるようだ。
王道のスターバックス
Starbucks Coffeeのカップ持ち込み値引きは標準的な20円。
ドリップコーヒーをショートサイズで頼むと、消費税8%分が相殺されてちょうど280円で済む。
スタバのコーヒー量はショートでも350mlくらいある。街中にたくさんあるドトールやベローチェと比べても、ダントツで量が多い。
年配になると「スタバは量が多すぎて飲みきれない」と敬遠する人もいる。逆にガブガブ飲みたい派にとってはうれしいサービスだ。
One More Coffeeは追加割引不可
さらにスタバのドリップコーヒーは、当日中に限り100円でお代わりできる特典がついてくる。
スタバの場合は後述のタリーズと違って、どの店舗でも適用できるのがウリだ。再注文の際に、レシートの下に印字されているチケットを見せればよい。
タンブラー持参の割引額は普通だが、お代わりサービスの内容はスタバが最高。
お店を変えて気分転換できるので、近隣のスタバをはしごしながら過ごす日もある。
最安のドリップ・ショートでカップ持参&ワン・モア・コーヒーすれば、280+108=388円でスタバに長居できる。
ただしOne More Coffeeを利用した2杯目にマイタンブラー割引は効かないのが注意点。
値段は変わらないとはいえ、自前のカップを出せば注いでくれる。無料トッピングでアレンジを楽しむなら、手間が増えても大きめのタンブラーに注いでもらった方がいい。
期間限定、ラテのお代わり200円
スタバではドリップコーヒー以外に、キャンペーンでラテの2杯目が安くなることもある。
2020年3月13日~4月8日の期間はRediscover Your Latteとして、ソイラテ、アーモンドラテ、オーツミルクラテも250円でお代わりできることになっていた。
「ホット/アイス選択可、当日中、他店可」というのは常設化されているワン・モア・コーヒーと同じ。オプションで替えられる他のミルクも試してみて、という趣旨だろう。
ブラックよりラテ派にはうれしい特典だ。できればこの2杯目サービスも恒久化してほしい。
無料アレンジのための特大カップ
スターバックスは店舗によって普通のミルクと無脂肪牛乳、さらに3種の砂糖、ガムシロップとハチミツ、ココアやシナモンパウダーまで無料で追加できる。
自分はブラックが苦手なので、コーヒーにミルクは欠かせない。さらに甘みが欲しいときはハチミツも追加させていただく。
いちばん安いドリップコーヒーでも、ここまでアレンジすればスターバックスラテなどの上位メニューとたいして変わらない。
ただしショートサイズのオリジナル・マグカップは容量がタイトで、これらの無料トッピングを入れる余地がない。
そこでわざわざ大き目のマイカップを持参する意味が出てくる。
単に割り引きを受けるだけでなく、無料のハチミツ牛乳をたっぷり入れてかき混ぜるためにもタンブラーの持ち込みは有効だ。
昔はドトールあたりに比べてスタバは高いと思っていたが、上島珈琲やエクセルシオールに比べると案外そうでもない。
豪華なモカフラペチーノでも頼めば、トールサイズで軽く500円は超える。しかし最安のドリップ・ショートかつタンブラー持参なら280円で済む。
デフォルトのコーヒー量が多く、さらに100円でお代わりも可能。スタバのドリップコーヒーは、地味ながら最もコスパの高いサービスといえる。
スタバは無料でWiFi付き
スタバ店内はWiFiも完備されているので、下手なシェアオフィスよりスタバの方が快適。
会員にならずともスポットで格安利用できるコワーキングスペースとみなせる。
スタバに勝るコスパの良い作業空間といえば、イケアのレストランくらいしか思い浮かばない。イケアもWiFi付きでフリードリンク100円と安すぎるが、店舗数が限られるうえ、立地も不便だ。
スタバのWiFiは1時間ごとに強制リセットされ、ブラウザから規約の再確認が必要になる。クラウドのアプリで作業している場合はデータが飛ぶおそれがあるので、要注意だ。
モバイル版スターバックスカード
スタバでSuicaのような一般電子マネーが使えるのは、駅ナカ・デパート店など一部のみ。
いまどきキャッシュレスで決済できないのは面倒なので、モバイル版のスターバックスカードをつくってみた。
リワードの獲得条件はきびしく、頻繁にスタバを利用しなければ1年でリセットされてしまう。ただしチャージにクレジットカードが使えるので、現金払いより数パーセントのポイント還元が期待できる。
最初はおサイフケータイの機能でタッチ決済できていたが、スマホを機種変更したら使えなくなった。公式サイトのマニュアルどおりに移行設定を行ってもうまくいかない。
その場合はオプションとして、画面上にバーコードを表示すればスマホで支払いできる。少々面倒だが、この方が決済方法としては確実だ。
スタバに追従するタリーズ
TULLY’Sのマイカップ持込割引は30円。
スタバも含めて20円引きのお店が多いなか、微妙な差別化を図っている。
タリーズではスタバと同じく、ハチミツ・ミルクが無料でトッピング可能。
特製のタリーズハチミツは店頭で買うこともできて、お値段は500gで1,100円だった。パッケージで「アルゼンチン産」とアピールしているところを見ると、安い中国産ではないらしい。
スタバのハチミツと比べて味の違いはわからなかったが、無料で追加できるのはありがたい。
タリーズの最安「本日のコーヒー」を320円のショートサイズで注文し、ミルクとハチミツを注ぐと自前の格安ラテが完成する。これだけでカフェラテにアップグレードする差額40円を浮かせられる。
タリーズ版One more! Short
レシートの下にはOne more! Shortというお代わりチケットがプリントされている。
スタバのOne More Coffeeと名前もルールもよく似たサービスだが、タリーズは150円でお値段1.5倍。さらに当日中かつ「同一店舗でしか使えない」という縛りがある。
スタバは場所を変えて2杯目のコーヒーを楽しめるが、タリーズは同じお店に拘束される。
腰を据えて長時間作業する分には構わない。また2杯目との間に一度お店を出て、ランチをとったりリフレッシュすることも可能。
そもそもタリーズはスタバほどお店が多くないので、一日で2店舗わたり歩くのもきびしい。ほかで使えなくても、さほど困らないといえる。
2杯目は割引で浮いたお金を使い、ためしに60円のホイップクリームを追加してみた。
いつものコーヒーがウィンナー風になって見た目はゴージャス。糖分もアップして頭脳労働に最適だ。
ただしこれに牛乳やハチミツを加えてかき混ぜると、見た目がえげつないことになる。ホイップクリームを乗せた場合は先に上からスプーンで食べて、あとから具材をミックスする方がベターだ。
独自の高級路線を行く上島珈琲
上島珈琲のタンブラー値引きは破格の50円。
しかし上島はもとのコーヒーの値段が高い。たとえば定番のダブルネルドリップ黒糖ミルク珈琲はSサイズで370円もする。
450mlの持参カップに注いでもらって半分に満たなかったから、200mlくらいしかなさそうだ。スタバはレギュラーでも並々注いでくれるのに、上島珈琲は明らかに量をケチっている。
いや、日本の喫茶店標準でいうと、小サイズはこのくらいが相場だったのかもしれない。
最近はスターバックス・スタンダードに慣れてしまい、大盛り・濃い味のコーヒーでないと満足できなくなってきた。
上島独自のアプリ時限クーポン
上島珈琲は公式アプリからクーポンが手に入る。
たとえば15時以降に入店すると50円引きになるような感じ。時限付きでかつ店舗ごとの先着順だが、人気がないのか売り切れているのは見たことがない。
以前はアカウントをつくらなくてもクーポンを入手できた。しかし最近はアプリがバージョンアップしてログインが必須になってしまった。
高級な上島珈琲を利用するなら、タンブラー値引きと時限クーポン合わせて100円引きを狙いたい。黒糖ミルクのLサイズと組み合わせれば、金額・ボリューム的にようやくスタバと肩を並べられる。
値段相応に上島珈琲のインテリアはスタバより高級感がある。ほかのカフェよりテーブル間隔も広いので、ゆとりをもって作業できる。
場所によっては書斎風に絵画や本が飾ってあったり、壁から鹿の頭が生えていたりする。
上島珈琲の黒糖ミルク珈琲は個人的に好物だ。割引を駆使してもそこまで安くならないが、ココイチのカレーのようにときどき無性に飲みたくなる。
お店で飲むのはコスパが悪いので、最近はスーパーで黒糖を買って家でも楽しむようになった。普通の白砂糖より栄養価が高まり、味がふくよかになってコーヒーには合うと思う。
伊達なセガフレード・ザネッティ
Segafredo ZANETTIのマイカップ割引は標準的な20円。
ただし店舗数は少なく、東京でも立地は都心エリアに限られる。今回は新宿3丁目店を訪問した。
ビームスや大塚家具ショールームの横で、すためし・家系ラーメン・大盛りハンバーグがシノギを削る、カオスな交差点に位置している。
2階は禁煙のはずだが、なぜかタバコ臭い。3階の喫煙室から煙が降りてくるのだろうか。
たまらず1階に避難してカウンター席に陣取った。
セガフレードはカフェラテよりカプチーノが安いという変わったメニュー構成。
レギュラーコーヒーもあるが、無料でもらえるのは体に悪そうな植物油脂のフレッシュのみ。そこで今回は370円のピッコロサイズ・カプチーノを選んだ。
カフェのインテリアといえば茶色やベージュが基調だが、セガフレードはトレードカラーの黒と赤。
スタバがもたらしたシアトル系のブームとは一線を画して、本家のイタリアンカフェという風格をまとっている。
なぜか店内で自転車メーカーのトレックとコラボしたグッズが売られていた。内容はスマホケースやノートカバーなど、ほかで見たことがないレア商品だ。
トレックといえばアメリカのブランドだが、ブラック&レッドの配色はセガフレードと同じ。両社の共通点といえば、そのくらいしか思い浮かばない。
店内のBGMはボリュームが大きく、上島珈琲と似た感じのアップテンポなジャズが中心。
店員さんが「ボナセーラ、グラッツェ」とイタリア語であいさつしてくれるところは、ナポリピッツアのサルヴァトーレ・クオモと似ている。
お酒とおつまみもある
セガフレードはプロントのようにアルコールやフードメニューも充実している。
定番はチンザノのカクテル。グラッパのショットも1杯150円で飲めてリーズナブル。
グリッシーニやミックスナッツといったおつまみも100円から提供されていて、居酒屋で飲むより安くあげられそう。
新宿という場所柄、飲み会の後に立ち寄って軽く二次会するのに適している。
セガフレードはカフェというよりむしろ「手軽に飲めるイタリアンバール」という感じ。人と話すにはよいが、ひとりで勉強や仕事に集中するには向いていない。
エクセルシオールは取り柄なし
ドトール系のEXCELSIOR CAFFEは、マイカップ持参でタンブラーサービス20円引き。
しかしブレンドコーヒーがRサイズで380円と、他店に比べて元の金額がやや割高だ。ミルクやハチミツの無料トッピングは提供されない。
ブラックコーヒーを避けてカプチーノやラテマキアートを頼むと、レギュラーでも400円以上かかってしまう。
Rサイズの分量は上島珈琲と同じ200ml程度。スノーピークの450mlカップでは、半分にも達していない。
これでスターバックスより100円も高いとは信じられない。
エクセルシオールが入っているくらいの駅ビルやモールなら、たいていスタバも存在するはず。たとえマイタンブラー持参でなくても、そちらに行った方が断然お得だ。
強いてエクセルシオールの売りを挙げるとすれば、パニーニやケーキのセット、アルコール類も頼めるくらい。
どちらもノマドワークには無用の代物なので、提供されてもさほどうれしくない。
フードやお酒に注力するなら、やはりプロントくらい品数を充実させてほしい。
エクセルシオールはカフェとバーの間を模索して、ポジションが中途半端になっているように感じた。
注文ミスのニューヨーカーズカフェ
NEW YORKER’S CAFEのマイカップ値引きは20円。
ニューヨーカーという名前にそぐわず、実は銀座ルノワールの系列店。しかも都内に数店舗しかないレアなブランドだ。
たまたま後楽園のラクーアでランチしたついでに、水道橋東口店を訪問することができた。
注文の際、マイカップ持ち込みにより店員さんに混乱が生じたのか、ラテを頼んだのに登場したのはスチームミルク。しかも原因不明で0円のローファットミルクに格下げされている。
低脂肪牛乳など、スーパーに行けば1リットル100円で手に入る代物。280円も出せばちょっといい特濃牛乳が買える。
これはニューヨーカー流のジョークなのだろうか。タンブラー持参客に対する露骨な嫌がらせとも思えなくもない。
しかし作り直してもらうのも面倒なので、ありがたく高価なホットミルクをいただいた。
気を取り直して卓上に置いてあったチラシを見ると、ドリンク50円・ランチ・ディナー100円引きのチケットがあった。
カフェチェーンとしては、めずらしく気前のいい割引サービスだ。上島珈琲のようにアプリのアカウントを作ったりせずとも、紙のチケットで値引きを受けられるのはうれしい。
しかしもう二度とニューヨークを訪れることはないだろう。
ビジネス向けシアトルズベスト
SEATTLE’S BESTのマイカップ割引は20円。
めったに立ち寄らない皇居の北側エリア。住友商事竹橋ビル店に店舗があった。
オフィスビル内にある小型の屋台型ショップ。明らかに無料トッピングはなさそうだったので、おとなしくミルク入りのコーヒーを選んだ。
シアトルズのラテは340円で300ml程度。値段と量は標準的といえる。
仕事でなければ立ち寄らない竹橋エリア。さらにビル内の奥まった庭園側スペースということで、外部の利用者はほとんどいない。
まわりにカフェが少ないので穴場だが土日は休みで、平日も営業時間は17時まで。
シアトルズベストは、ほかにも京橋や兜町などビジネス街ばかりに出店している。
たまにオフィスワーカーと混ざって緊張感を味わうにはよいが、長時間居座るノマドワーカーとしては快適と言い難い。
同じシアトル系コーヒーを味わうなら、スタバで十分かと思う。
ブレンズコーヒーのレア店舗
BLENZ COFFEEのカップ持参割引は20円。
メニューに普通のホットコーヒーはなく、エスプレッソもしくはアメリカーノという扱いになる。今回頼んだカフェラテはレギュラーサイズで380円。
容量は見たところ300mlくらい。持ち込みのタンブラーでも、器用にハート形のラテアートを作ってくれる。
ブレンズではスタバ・タリーズ並みに、ミルクとハチミツを無料でトッピングできる。
350円のアメリカーノRを頼んでも、自前でカスタムすれば30円安く済ませられた計算になる。店内奥にあるトッピングコーナーが見えなかったので、これは失敗した。
ブレンズコーヒーは表参道の交差点、クアアイナの向かいに位置している。
目立つ場所にあるのでなじみ深いが、実は国内に2店舗しかないレアなチェーン店だった知った。もうひとつは川越の病院内にあるので、都内で試すならこの青山花茂店しかない。
2階に階段で上がると、入口横のテラス席が猛烈にタバコ臭いので気が滅入る。ただし中は完全禁煙なので安心だ。
店内は意外と広く、ひとり作業に適した小テーブルが多いのが特徴。
テーブルをくっつければグループで会話もできてフレキシブル。さらに壁際には快適なソファーも置かれている。
場所柄スーツ姿の人は少なく、デザイナーがサンプルを並べて書籍の装丁を打ち合わせしていたりする。
マックブックを広げてがっつり作業しているクリエイターも多い。なかなか刺激的な空間だ。
オリジナルのコーヒー豆を店頭で何種類も販売している。お店の数は少ないのに、豆にはそれなりにこだわりがありそう。
近所にあれば重宝するが、いかんせん場所が限られているのは残念。無料のハチミツ牛乳を提供してくれるカフェとして、ブレンズは貴重な存在だ。
カフェ・ド・クリエの落とし穴
ポッカ・クリエイトが運営するCAFE de CRIE。
下調べしたマイボトル割引は30円なはずだが、レシートを見るとなぜか値引きされていなかった。
どうやらカップ持参だけではダメで、テイクアウトしないと優遇が効かないらしい。
持ち込みカップを渡す際「店内利用」と伝えると、スタッフが一瞬けげんな表情をした。
それならそうと言ってくれればよいのだが、変な客には関わらない方がいいと判断されたのだろうか。
カフェオレRサイズは320円で標準的なお値段だった。
おかわりチケットは選択肢が豊富
カフェ・ド・クリエではスタバ・タリーズと同じく、レシートに2杯目の割引券がついてくる。
その名もわかりやすく「おかわりチケット」。
他店のようにブレンドオンリーではなく、追加料金でカフェオレやミルクティーまで頼めるのが特徴だ。
- ブレンド/アメリカン/ティー 100円
- カフェラテ/カフェオレ、ロイヤルミルクティー 150円
(どちらもホット/アイス可)
ただし優遇は当日中なだけでなく、タリーズ式に「1杯目と同一店舗」の縛りがある。また「ご本人様のご利用」と書かれているので、時間差で入店して2人目を安く済ませるセコイ技も使えない。
カフェオレとカフェラテが同じ値段で出ているが、違いは何だろう。
ウェブの説明によるとカフェラテはエスプレッソとあるので、カフェオレより少し苦そうなイメージ。
マイカップ割引はもらい損ねたが、せっかくなのでおかわりを試してみた。
2杯目は150円のホットカフェラテ。200mlくらいのスモールサイズなので、一瞬で飲み終えてしまう。
レギュラーサイズのボリューム感は、どうしてもスタバに見劣りする。やはりサイズ的には日本の喫茶店という感じだ。
コンビニ・ローソンMACHI cafe
コンビニカフェで唯一マイカップ割引が効くのはローソンのMACHI café。
割引はたった10円。
しかし元がコーヒー100円、カフェオレ150円と格安なので、値引き率は馬鹿にならない太っ腹なサービスだ。
ほかのコンビニと比べて、ローソンだけは店員さんがレジ内でコーヒーを注ぐ方式。
そのためマイカップ注文にも対応できるのだろう。
ローソンのコーヒーは豆にこだわりがあるようで、心なしか他のコンビニよりおいしく感じる。
レインフォレスト・アライアンス認証の農園産ということでプレミアムに感じるが、値段は他店と変わりない。
イートインコーナーがなかったので、こぼれないようにサランラップでふたをして家まで運んだ。
コンビニから怪しげな液体を持ち出す不審者。こういうときは蓋付きタンブラーがあった方がスマートだ。
スノーピークのチタンマグ専用蓋を買うかどうか迷う。しかしたまにしか使わないのであれば、ラップと輪ゴムで十分かもしれない。
他店のカフェオレ対応状況
セブンイレブンはブラックしかないのが残念だったが、最近ようやくカフェオレを売り始めた。これまでは別途牛乳を買って、店内の飲食コーナーでカフェオレを自作したりしていた。
本当はWAONユーザーなのでミニストップを応援したいが、いまだにここだけカフェオレをラインナップしていない。
プラス50円払ってもミルク入りのコーヒーを飲みたい顧客層は多いだろう。味の好みというより、ブラックは胃が荒れるというアレルギー体質による問題だ。
過去にピロリ菌は除去したが、一度わずらった慢性胃炎は完治しない。ブラックコーヒー難民としては、カフェオレ飲み放題のサービスを提供してくれるミスタードーナツがうれしかったりする。
残念ながらミスドにマイボトル割引はないので掲載を見送った。実はスタバと同じくらい個人的に利用率が高いチェーン店だ。
ドーナツを食べなくても無限カフェオレ供給スポットとして有効活用できる。
マイタンブラー割引調査の感想
さまざまなカフェにカップを持ち込んでみたが、店員さんの対応はどこも親切だった。
ただしニューヨーカーズカフェやカフェ・ド・クリエではコミュニケーションがうまくとれなかったのは苦い経験だ。
マイカップ持ち込みはスタッフに対して慣れない作業を強いるため、
- 注文が確実に伝わったか
- 割引は問題なく受けられるか
念入りに交渉・確認した方がいい。
でないと罰ゲームのように、ぬるい低脂肪乳を浴びせられる羽目になる。
あらためてスタバの実力を確認
値引きやサービス内容はまちまちだったが、総合的に評価すると使い勝手はスターバックスが一番だった。
特にカフェで長時間作業するなら、他店舗で使える2杯目割引の効果は絶大。タリーズやカフェ・ド・クリエと比べて、同一店舗の縛りがないのはスタバだけだ。
ミルクやハチミツの無料トッピングも充実していて、追加料金を支払わなくてもカスタムし放題。
先にスタバに慣れてしまうと、ほかのカフェチェーンをサービスを模倣・追従しているようにしか見えない。しかも金額やドリンクの量は本家に劣っていたりする。
どうせなら上島珈琲くらい高級路線に特化するか、セガフレードのように酒類・おつまみを提供して差を出さないと、普通のカフェは生き残れないと思う。
手間は増えるのになぜ割引?
店内で落ち着いてコーヒーを飲むなら、紙コップよりマグカップの方が口触りがよい。
紙とプラスチックの容器でテイクアウトするよりは、自前のタンブラーを使いまわした方がエコといえる。
一方で店員さんにとっては、余計な手間が増えて迷惑そうにも見えた。使用後のタンブラー洗浄をお願いする度に、なんだか申し訳なく気の毒な気がした。
お店側としては、不潔なカップを持ち込まれて食中毒でも訴えられたらたまらない。
そのため厨房を観察していると、コーヒーを注ぐ前に一度熱湯を注くオペレーションが入るところもあった。これはカップを温めるためというより、熱湯食毒が目的ではないだろうか。
値引きはリピーター獲得が目的か
そう考えるとカフェ・ド・クリエがテイクアウトも割引条件に加えているのは、別に不自然とはいえない。
ほかの店舗がコスト増を承知で逆に値引きサービスを提供しているのは、単にリピーターを増やしたいからだろう。自分のカップに注いでもらえると、何となくお店への愛着がわく。店員さんにも親しみが持てるようになる。
ゴミを出さない点で環境意識の高いユーザーを引きつける効果もある。しかしそれだけなら割引は不要といえる。
マイタンブラー割引とはポイントカードの別バージョン。ささやかなVIP・常連待遇でお客さんにいい思いをしてもらうための、ひと工夫なのだと思う。
モヤシも積もれば山となる
マイボトル持参は手間のかかるわりに値引きが10~50円と少なく見える。
しかしたかが20円でも「スーパーでモヤシひと袋買える」と思えばメリットを実感できる。
自前のコップを持ち歩くだけで、夕食のおかずが一品増える。モヤシは葉酸・アスパラギン酸など地味に栄養素がすぐれている。
年間7,300円マイボトル貯金
そして、1日20円の節約を365日続ければ7,300円貯まる。
レジでのやり取りは増えるが、いつもタンブラーを持参すると店員さんに覚えてもらえて会話がはずむ。普段カップを持ち運ぶ手間は増えても、余計なゴミが出なくて環境にやさしい。
ノマド作業で毎日のようにカフェチェーンを利用するなら、マイカップ持参はぜひ取り入れたい習慣だ。