壁スイッチダブルクリックで調光できる賃貸マンションの天井ライト

前から不思議だった天井照明の謎が解けた。たまに勝手に暗くなったりするのでおかしいと思っていたのだが、実はリモコンを使わずに壁のスイッチから調光できる機能があると知った。3年目住んでいて、はじめて説明書を読んで仕組みを理解した。

和洋折衷リノベーション

建物は築年数40年近いが、備え付けの設備機器が充実しているのがこのマンションのウリ。冷蔵庫や洗濯機はすべて安いハイアールとはいえ、サイズも大きく普段使いに重宝している。

居室はもともと和室だったらしく、押し入れが大きいのもいい。入居時はカーテンで仕切られて微妙なクローゼット風になっていたが、仕切りを取っ払ってオープンな棚・デスク拡張として使うと押し入れは便利だ。

壁にクロスを貼って、床は畳みをはがしてクッションフロアが敷かれている。窓はサッシがきれいにはまっているところを見ると、さすがに障子ではなかったらしい。天井は木のままで、よく見かける和洋ハイブリッドスタイルになっている。和室から表層だけ洋風にコンバージョンした、こういう安い賃貸住宅は日本中にあふれているだろう。

「とりあえず純和風よりはこの方がまだまし」という感じで、デザイン的な思想があるわけでもない。住む方も安物だから細かいことは気にしない。むしろ変に高級素材を使うとか装飾が増えるとか、間違った方向にお金をかけられるより潔くていい。そういうお互いの事情でヘンテコなインテリアになっていると思う。

天井照明が勝手に暗くなる謎

天井照明はもともと角型の旅館風なものだったと推測される。天井の染みとネジあとはそのままだが、そこに最新LEDライトが置き換わっている。

この部屋にしばらく住んでいて、まさか天井照明がLEDだとは思っていなかった。蛍光灯よりずっと高いはずだし、安めの賃料なので表に出ない備品のスペックは相当低いと踏んでいた。案の定、机や椅子はイケアより安そうなチープな代物で、椅子はキャスターがなく不便なのでさすがに自前で買い替えた。

この元和室に取って付けたシーリングライト、たまに壁のスイッチでオンオフすると、明るさが一段階落ちたり、豆電球になってしまうのでおかしいと思っていた。何度かスイッチをパチパチやっていると元に戻るのだが、その法則性が読めない。

「どうもスイッチをダブルクリックすると次のモードに切り替わるようだ」と気づいたが、その通り押しても変化しないときがある。とりあえず間違って豆電球モードに入ってしまったら、何度か押して元に戻るのを待つ。そのくらいしか対策のしようがない、不便なライトだと思っていた。

実はLEDライトだった

そんな頃、部屋の掃除をしていて入居時に置いてあったライトの説明書が出てきた。NECの製品で、リモコンもついていた。

6畳程度の広さなのでリモコンを使うまでもないが、よく見ると明暗のコントロールやスリープタイマーまでついている。普段は意識しない天井照明がこんなに高機能だとは知らなかった。あるいは今の照明器具はデフォルトで高性能化しているのだろうか。

こんな細かい調整ができるということは、当然普通の蛍光灯でなくLEDライトである。推定寿命は40,000時間とあるので、24時間つけっぱなしにしても4年半は持つことになる。電気代は定額の共益費に含まれているので、天井ライト程度の消費電力ならずっとつけておいても問題ないくらいだろう(自分は貧乏性なのでこまめに消灯するが)。

自前交換の電球切れを気にする必要がないので、居住者としてはうれしい。施設の運営側も先を見越してLED照明に全交換したのかもしれない。

壁スイッチの二度押しで変更できる

説明書を読んでみると、リモコンでなく壁スイッチによるモード変更の手順が書いてあった。

壁スイッチですばやく(約2秒以内)OFF→ONすることにより次のように点灯順序が切り替わります。

全灯 → 調光 → 保安球点灯

なるほど、2秒以内の連続押しということで「ダブルクリック仮説」は間違っていなかったようだ。

何度か試してみると、スイッチ操作が早すぎてもNGなようだった。連続で押すといっても「タタッ」という感じでは速すぎて認識されない。0.5秒くらい間をあけて、「タッタッ」くらいの操作感でうまく切り替えできるようになった。

1個しかない規格品のスイッチを活用して、連続タップで調光機能を実現したのはいいアイデアだ。慣れるまで時間はかかったが、おかげで夜は照明を落としてブルーライトを減らせる。

もし「自宅のライトが勝手に弱くなったりして困る」という人がいたら、試しに壁面スイッチをダブルタップしてみるといいだろう。NECの同じ規格なら、リモコンなしに明るさ制御できる可能性がある。