役所や取引先への書類郵送に便利な郵便局のレターパックプラス。切手を貼らずにそのままポスト投函できるので、会社にまとめてストックしておけば便利だ。
一方、相手先に直接手渡しする必要がある貴重品でなければ、廉価版の青いレターパックライトで十分。さらに安くあげるには、適当なA4定形外封筒に重量相当の切手を貼ればOKだ。ここ最近の傾向として、140円と205円切手、レターパックライトを数枚そろえて置けば、たいていの郵便物を片づけられるとわかってきた。
ライト版でも郵便追跡できる
今どき自分で切手を貼って郵送する必要があるものは、税務署の申告書類や、取引先への見積・請求書くらいだろうか。後者はA4三つ折りでOKな場合もあるし、そもそもPDFで十分という会社も増えている。
たまにA4サイズの書類を送ることになった際、コストを気にしなければ安全確実なのはレターパックだろう。専用の封筒だけ買っておけば、中身を入れてすぐにポスト投函できる気軽さがある。
赤いレターパックプラスは対面渡しだが、その分料金は510円かかる。青い方のレターパックライトは郵便受けに配達されるが、それ以外のスペックはほぼプラス版と同じなため、360円という金額はリーズナブルに思われる。
レターパックシリーズで便利なのは、ゆうパックと同じく追跡番号から配送状況を調べられることだ。台風や悪天候で遠方・離島への到着が遅れるなど、心配なときには郵便追跡サービスを利用できる。取引先に送付連絡をする場合は、追跡番号も添えておくのがマナーだろう。
決算前の経費調整にレターパック
さすがにまとめ買いしても郵便局の定価より安くならないが、アマゾンで100枚組とか大量購入もできる。
決算前の有意義な投資先として、レターパックのまとめ買いはおすすめだ。切手や金券類と違って転売できる可能性が少ないので、税務署に突っ込まれることもないだろう。大学の研究室で、年度末の予算消化にUSBメモリとか消耗品類を大量購入する際にも、レターパックは使えるのでなかろうか。
対面渡しで「ない」ライトの利点
レターパックライトの利点はもう一つあり、プラスや書留のような玄関渡しで「ない」という点だ。このメリットに気づいたのは、以前契約していた顧問の税理士事務所さんが、書類を毎回レターパックライトで送ってくれたことだった。
対面渡しは確実だが、仕事や出張でオフィスを留守にしているときも多い。一人経営の零細企業で、会社に常にスタッフがいるわけでない。賃貸マンションに宅配ボックスでもなければ、たいてい宅急便や書留郵便は受け取り損ねる。
そうなると、ヤマト運輸や郵便局に電話するかウェブ経由で再配達を申し込み、指定日時に待機しておかなければならないという手間が生じる。正直よほどの重要書類でなければ、適当にポストにでも入れておいてもらった方がずっとありがたい。
そんなわけで、誰に見られたり盗まれてもたいしたダメージはない、会社の会計資料をやり取りするのに、レターパックライトが最適と判断したのだろう。しっかりした厚紙でできているので、多少分厚い資料でもよれたり水濡れする心配は少ない。何となく、普通の封筒より相手先に対して、ていねいに送った感じもする。
不在の日が続いても郵便受けでいつでも受け取れるのは、まるで電話に対する電子メールのようなメリットだ。常勤社員がおらず、バーチャルオフィスの郵便物転送サービスもない零細企業に書類を送るなら、あえて書留でない方法を選ぶ方がマナーとすら思えてくる。
剥離紙が爪に挟まりやすい
いいことづくめのレターパックだが、注意点としては封をする際のテープが剥がしにくいことだ。
微妙に厚みと強度のある剥離紙なので、指で取ろうとすると爪の間にこれが挟まって、痛い思いをしたことがある。最近は安全のため、もっぱらカッターで取るようにしている。
紙で指を切るのも痛いが、両面テープの剥離紙が爪の間に刺さった経験が何度かある。表面の追跡番号シールも微妙に取りにくいので、こういうところは地味に改善してほしい。
定形外だが規格内のA4サイズ
一方、コスト面を追求すると、どうでもいい相手先には定形外郵便で十分な場合もある。特に役所関係で法定調書合計票とか算定基礎届など、書式と封筒は送られてくるが「切手は自腹」というパターンがある。
また、法人税の申告書などは、あえて安っぽい茶封筒で重量ぎりぎりの切手を貼って送る方が切迫感をアピールできる気がする。書類を挟むクリアファイルも、使い古してしわしわになったものがふさわしい。
A4サイズはスタンダードに思われるが、郵便局の基準では定形外に該当する。あとは重さで切手代が変わるというシンプルな料金システムだ。A4サイズの「規格内」郵便物なら、
- 50g以内 120円
- 100g以内 140円
- 150g以内 205円
- 250g以内 250円
のどれかに収まるだろう。これ以上の重量・金額の切手が不要なのは、4kgまでいけるレターパックライトのコスパが上回るからである。500g以上=380円以上の切手を貼るくらいなら、360円のレターパックライトに突っ込んだ方が安上がりだ。
長辺34cm、短辺25cm、厚さ3cmを超えると「定形外&規格外」で料金が高くなる。そもそもA4サイズに収まらない変な大きさのものを送るなら、ゆうパックや宅急便を利用するだろう。
郵便物の重量計測に便利なドリテック
郵便代を節約したいという趣旨なので無理に買うことはないが、ほかでも使いまわせるキッチンスケールを1台持っておくと便利だ。いくつか使ってみて便利だったのが、ドリテックのKS-257「パカット」。電池は単四2本なので、エネループでいける。
グラム単位で2kgまで測れる標準的な機種で、最大の売りはものを乗せるトレイ部分が開閉することだ。ここを開くと表示部分からものを離せるので、A4封筒など大きなものを測る際に非常に重宝する。
パカット機能がなければ、適当な台を置いてその上で目的物の重量を測り、あとで台の分の重量を引くというめんどうくさい計算が必要になる。すべてのキッチンスケールがこの仕様になればいいと思うのだが、特許があるのか理由は不明。ドリテックのこれ以外、見たことがない。
役所向けにおすすめの格安封筒
役所向けに格安で書類を送るなら、封筒も安くて軽いものがベターだ。いろいろ試した中では、100均の未晒(みざらし)クラフト封筒というのが、かなりいい線をいっている。
今どきほかで見ることが少ない、ぺらぺらした茶色の薄い紙でできている。封筒1枚の重さは12gなので、がんばれば最安50g以内=120円で済ませられるかもしれない。両面テープは当然付いていないので、糊付けが必要になる。
見た目上はホッチキスとかセロハンテープで封をする方がチープに見えるが、節約しているのと雑に作業するのとは違う。配送中に中身が開いたりトラブルを避けるには、格安封筒でも糊付けした方が安全だ。
ここ何年かA4郵便物の重量を測ってみて、50g以内に収まるのは中身が調書1枚だけとかレアなケースだ。そのくらいならむしろ、三つ折りして82円切手で送ることの方が多い。
書類が数枚あると100gの壁も簡単に超えてしまうので、ボリュームゾーンとしては150~250gの205円切手を使う機会が一番多い。これ以上になるとかなり分厚い資料なので、未晒封筒よりレターパックライトを使った方が安全に思われてくる。
205円切手とレターパックライトの組み合わせ
自分の場合、「軽い書類は100均封筒と205円切手、重量物はレターパックライト」と決めておくことにより、郵便を2パターンに整理できて備品のストックが楽になった。
150g以上の書類は250円切手を貼った方がレターパックライトより安いのだが、実は郵便局で250円切手を扱っていないという事情もある。ほかで使いまわせるあてのない100円+50円切手を組み合わせることになるが、それなら「重量物は一律レターパックライト」と決めてしまった方が楽ちんだ。
一方、A4サイズで100g未満に収まるケースはなかなかない。また、万が一重量オーバーしてしまった際に返送されるリスクを考えると、余分目に205円切手を貼っておくのが安心といえる。
役所向けに節約感をアピールするのでなければ、A4定形外郵便は205円切手で統一して送るのが簡単だ。一応140円切手も常備してあるが、出番はめっきり少なくなった。今後消費税が上がって切手代が値上がりすることを考えると、中途半端な額の切手はあまりストックしておきたくない。
たかだか数10円の切手代、レターパック代の違いなど、どうもいいという人も多いだろう。自分は電車の乗り換えで、10円でも安ければ一駅前で降りて歩く性格。30円でもやしが一袋買えると思えば、節約できるに越したことはない。