コロナ給付金10万円をマイナンバーカードで最速申請する全手順

本日5月7日から始まった新型コロナウイルス対策の特別定額給付金申請。手元のマイナンバーカードを使って早速オンラインで申請してみた。

確定申告や会社の税務申告もすべてe-Taxで済ませているため、マイナンバーカードによる電子証明には慣れている。ただし今回の給付金はカードに紐づけられた2種類のパスワード、

  • 券面事項入力補助用パスワード(4桁の数字)
  • 署名用電子証明書パスワード(6~16桁の英数字)

が両方必要になるうえ、振込先銀行口座のキャッシュカードや通帳の画像送る必要があった。

さらにWindows+Chromeのパソコン作業環境では、新たにブラウザ用の「マイナポータルAP」 という拡張機能のインストールも求められる。

マイポータルAPのインストール

いろいろ面倒だがマイナンバーカードとICカードリーダーが手元にあれば、トータル15分くらいで作業は完了できる。給付金の申請期限は「申請受付開始日から3か月以内」とされているので、忘れないうち早めに申し込んだ方がいい。

ICカードリーダーは5年前から使っている定番のACR1251CL-NTTComでOK。パソコンとインターネットを用いた申請手続きの流れをまとめてみようと思う。

給付対象者と受付開始している自治体

コロナ対策の10万円給付がもらえるのは4月27日現在、住民基本台帳に記録されている人が対象。

申請先は自分が住んでいる市区町村で、5月7日現在オンライン申請ができるかどうかは以下のページから確認できる。

本日(5月7日)までにオンライン申請受付が開始されている団体一覧

例えば東京都であれば全部で62ある管内市区町村のうち、渋谷区・大田区・町田市など24の自治体しかまだ対応していない。

給付対象は世帯ごとでなく1人につき10万なので、家族が4人いれば40万円もらえるはず。オンラインでの申請は、世帯主が全員分まとめて1回で申し込むことができる。

マイナポータル=ぴったりサービス

特別定額給付金のオンライン申請は、総務省の説明によると「マイナポータル」というサイトから行うことになっている。

特別定額給付金 オンラインで申請する(マイナンバーカードをお持ちの方)

リンク先をたどると「ぴったりサービス」という別の名前のサイトに転送されるので、詐欺ではないかと一瞬とまどう。とりあえずマイナンバーのウサギキャラが出ている「ぴったりサービス」で、申請手続きをひと通り済ませることはできた。

申請フォームの選択肢を見ると、今回の給付金以外にも引っ越し・子育て・年金関連などのオンライン手続きができるらしい。マイナンバーカードをつくってからもうすぐ5年経つが、こんなサービスがあるとは知らなかった。

マイナポータルAPのインストールが必要

ぴったりサービスで居住地の郵便番号を入れるか都道府県・市町村を手動で選ぶと、各種検索のフォームがアクティブになる。

ぴったり検索フォーム

ここで「ぴったり検索」の一番上に出ている「特別定額給付金」を選び、次の画面で手続き項目に確認のチェックを入れて「申請する」ボタンを押す。

特別定額給付金

すると以下のような警告メッセージが出る。

  • マイナンバーカードが必要
  • ICカードリーダライタが必要(PCの場合)
  • マイナポータルAPのインストールが必要

電子署名関連の警告メッセージ

そのまま進むと自分の場合は再度警告メッセージ表示された。

マイナポータルAPは、本ページ下部の「動作環境」ページからインストールしてください。

電子署名の警告

次に出る「電子署名付与の動作環境確認」画面では、自動チェックされたSTEP3が不可になっている。

電子署名の動作環境確認

この段階で「マイナポータルAP」をインストールしていないと、先に進めないようだ。

Chrome拡張機能を入れてブラウザ再起動

画面の指示に従い、インストール手順のリンク先からGoogle Chrome用のインストーラをダウンロードする。

マイナポータルAPのインストール

するとMPASetup_Chrome.exeというファイルが入手できる。アイコンをダブルクリックするとセットアップが始まる。

MPASetup_Chrome.exe

特に迷うことはなく、アプリのインストールもすぐに完了する。

マイナポータルAPのインストール

この段階でchromeウェブストアが開き、マイナポータルAPの説明が出る。画面右上の「Chromeに追加」を選ぶとアプリがアクティブになる。

マイナポータルAPの追加

ここでアプリの権限について確認用のダイアログが出るので、「拡張機能を追加」を選択。

マイナポータルAPの追加

マイナポータルAPを有効にするには、いったんブラウザを閉じなければならない。Chromeを再起動すると、ブラウザの右上にマイナポータルの青いアイコンが表示されている。

マイナポータルAPのアイコン

ここで「ぴったりサービス」の作業は最初からやり直し…。郵便番号を入れて、特別定額給付金の申請を選ぶ。

できれば最初に拡張機能のインストールを案内してくれた方が親切だと思うが、トップページには説明がない。たいていの人は自分のように途中まで作業を進めてから、やり直す羽目になるだろう。

連絡先と申請者情報の入力

再び動作環境確認の画面まで進めると、今度はマイナポータルAPのSTEP3がクリアになっている。

動作環境チェックリスト

STEP4の3項目をチェックして次に進むと、メールアドレスと電話番号を入力するよう指示される(step1 連絡先入力)。

連絡先の入力

次の「step2 申請者情報入力」でいよいよICカードリーダーによるマイナンバーカードの読み取りが開始される。

実はこの段階の読み取りはスキップして氏名・生年月日など手入力することも可能だ。ただし特に問題がなければ、マイナンバーカードから読み取らせた方が早いと思う。

マイナンバーカードの暗証番号4桁入力

最初に必要になるのは券面事項入力補助用暗証番号の4ケタ数字。コンビニのコピー機で住民票を印刷する際に使うのと同じ番号だ。

マイナンバーカードの読み取り

3回間違えるとロックされるので、ここは慎重に入力する。念のため「パスワードを表示する」を選んで確認した方がいいだろう。

マイナンバーカードの暗証番号入力

カードが無事認識されると、氏名から住所までの情報が自動入力されている。

ただし以下の項目はなぜか反映されないので、結局手動で入れる必要がある。

  • 氏名(フリガナ)
  • 郵便番号
  • 申請者電話番号 ※先ほど入れた電話番号からコピー可能
  • FAX番号 ※入れなくてもよい

以上が空欄のままだとエラーが出て先に進めない。

家族の名前と受取先銀行口座を入力

フォーム入力が終わると次はstep3 申請情報入力。

提出先市区町村や世帯主(申請・受給者)の欄は、先ほどのページから自動入力されている。もし他の給付対象者(同居人、家族など)がいれば、個別に氏名を追加する。

独身・単身世帯であれば「給付対象者」のフォームはいじらず、次の受取口座情報の入力に進む。

給付対象者

受取先の金融機関はゆうちょ銀行とそれ以外で2つに分かれる。今回は個人口座のある大手都市銀行を指定してみた。

  • 金融機関名、区分
  • 本・支店名、区分、支店コード
  • 口座種別、口座番号(フリガナ・漢字)

銀行口座情報

以上の情報を入れて次へ進む。特にキャッシュカードの暗証番号などは入力する必要がない。

銀行キャッシュカードを撮影してアップ

次に表示される画面(step4 入力内容確認)で、給付金額合計や銀行口座の情報が正しいことを確かめる。

自分の場合はひとりだけなので、合計金額は100,000円。

給付金額の確認

その後の「step5 添付書類登録」が少々複雑だ。先ほど入力した給付金受取口座について、以下の確認書類をいずれか画像化して送信する必要がある。

  • 通帳
  • キャッシュカード
  • インターネットバンキングの画面等

振込先口座の確認書類

いまどき通帳は持っていない人も多いと思うので、一番手っ取り早いのはキャッシュカードだろう。口座番号や名前が記載されているカードの表面だけスマホで撮影して、JPG形式で圧縮してアップロードしておいた。

画像を用意する際の注意事項としては、

  • 白黒で解像度200dpiを推奨
  • 目視により内容の確認ができること

確認・同意事項

画像編集ソフトでわざわざ白黒にするのは面倒だ。Photoshopなどを使えば解像度も200dpiぴったりにできるが、要は目で見て情報が確認できれば十分かと思われる。

結局カードを目視で確認するのか…

マイナンバーを使ったオンライン申請といいながら、この時点で振込先口座を目視で照合する膨大な作業が発生するとわかった。

キャッシュカード

画像認識して自動処理できればよいが、人が目で見て作業すると確実にヒューマンエラーが発生する。今回の手続きはかつての年金入力ミスほど致命的なことにはならなそうだが、中には不完全な画像や間違った写真を送ってくる人もいるだろう。

そうした個別対応まで考えると、果たしてマイナンバーに加えて通帳やカードの画像確認までする必要があるのか疑問に思う。

電子署名用のパスワード入力

銀行口座の情報を送ると「step7 電子署名付与」でもう一つのパスワード入力を求められる。

マイナンバーカードを受け取った際に自分で決めた、6~16ケタの英数字暗証番号(署名用電子証明書用暗証番号)というのが必要だ。

電子署名用暗証番号

今回はロックされるまで4回間違うことができるので、先ほどの券面事項入力補助用暗証番号よりプレッシャーが弱まる。

年に1~2回、e-Taxでしか使わないパスワードなので、つい忘れがちになる署名用番号。万が一ロックされると窓口で解除手続きが必要になり、オンラインでの給付金申請は中断される。

こちらもパスワードを表示しながら慎重に入力。

電子署名用暗証番号の入力

認証が通ると、最後の「step8 印刷・送信」に進める。

申請完了

最後の画面に受付番号が表示されるので、念のため控えておいた方がいい。その後ダウンロードできるPDFにも受付番号は記載されいる。

申請書の控えをダウンロード

申請書の控え(PDF)と申請データ(CSV)はこのページから直接ダウンロードするか、先のステップで登録したメールアドレスに送ることもできる。

控えのダウンロード

どちらも同じzip圧縮されたファイルなので、直接控えをダウンロードしつつ、念のためメールも送っておけばよいだろう。

控えのフォルダ構成

控えのPDFファイルを見てみると、受付番号や申請日時、氏名や電話番号などの基本情報が記載されている。結局いつ振り込まれるのかは不明なままだが、とりあえずこれでオンラインの給付金申請は完了できたと思われる。

(追記)5月14日に無事10万円振り込まれていました。