会社用に着信無料の050番号入手。IP-Phone SMARTレビュー

先日立ち上げた合同会社で、無料の会計ソフト「フリーウェイ経理Lite」を使用する際に電話番号の入力が必須と早とちりして050のIP電話を契約してしまった…。

結果的にプライベートと会社の電話を使い分けできて、利用中の楽天でんわより通話料がちょっと安いと気づき、悪くない選択だったと思う。どのみち月額無料なら、もっと早めに契約しておけばよかったと思う。

IP電話アプリの有用性は前の会社で経験済み

050番号といえば、仕組みを知らない人からすると固定電話でも090の携帯電話でもない怪しげな番号と思われそうだ。一方、役所への届け出などでは050が固定電話と認識されており、逆に090の携帯番号より信用が高いという噂もあったりする。

以前いた会社では、さすがに自分のスマホから発信していると電話代が高くなってきたので、経費を明確に分離するためIP電話を導入した。その際はモバイルチョイス050のサービスを選んだが、通常のIP電話と違って携帯と同じ音声通信を利用するため、通話品質も問題なかった記憶がある。

「0037+67+」のプリフィックスを自動でつけて発信してくれるアプリが用意されているので、スマホを2台持ちする必要もなく、BYOD化できて大変重宝した。だだし便利な分、着信でも1分5円の料金がかかるので、待ち受けだけなら無料というわけにはいかなかった。

数あるIP電話から選んだのはFUSIONのIP-Phone SMART

今回050のIP電話会社を選ぶにあたって無駄な経費はかけたくないので、月額無料・着信無料を最低条件とした。これをクリアするのはSMART、050Call、050freeの3社だ。しかし050Callは月間利用が基準に満たないと315円請求されるので、完全無料は実現できない。

結局、通話料が固定・携帯・他社050とも1分16円で割高だが、以前使っていたモバイルチョイス050と同じ運営会社(楽天コミュニケーションズ)のIP-Phone SMARTを選んだ。もしかすると他でもSMARTの050を使っている人が多くて、想定外の無料通話を実現できたりするかもしれないと期待して…。

申請から1時間で通話可能になるスピード対応に感激

公式ウェブサイトからメールアドレスを送って登録、なんと最長1時間で使えるようになるというお手軽さだった。こんなに簡単に050番号が持てるなら、もっと早く申請しておけばよかったと思う。ログイン先のマイページからSIPアカウント/パスワードを確認して、スマホにインストールした050アプリに入力すれば設定完了。

1時間後、試しに同じスマホの電話アプリから、自動で割り当てられた050番号に発信してみると、不気味だが1台のスマホで着信確認できた。050アプリからの発信も問題なかった。

アプリのデザインやUIがいけていない…

難点としては、050のAndroidアプリのデザインが、デフォルトの電話アプリとか楽天でんわに比べるとあか抜けない点が挙げられる。特に画面右上のメニューアイコンが、上部タブの各メニューと連動していてグローバルなメニューでないのが戸惑った。全体的な設定を行い時は、タブで「キーパッド」を選んでからメニューを押さないと選べない。キーパッドと全体設定になんらの関連も思いつかないので、微妙にわかりににくいインタフェースだ。

一方で、設定>環境設定>着信音から選べる音声が妙にバリエーション豊富である。デフォルトの「ジャズ1」はノリが良すぎて唐突なので、もっと大人しい着信音にしようと思ったら「ドラム」くらいしか使えなかった。「ドリブル」は体育館でバスケのボールをついている謎のサウンドで、「ヘリコプター」はその名のとおり、突然スパイ映画の脱出シーンのような雰囲気になって緊張感がありすぎる。

結局、メニューを上の方にずらすと元からスマホに入っていた着信音も選べるとわかったので、もっと自然で大人しめのサウンドにセットしておいた。こんなところにこだわるくらいだったら、もっと画面のデザインとかメニューの配置を改良した方がいいと思う。

楽天でんわより2割安いIP-Phone SMART

IP電話の通話品質はさすがに携帯にはかなわないと思った。室内でWiFiにつながっているときの方が逆に途切れやすいと感じる時もある。一方、自分の自宅は最近携帯の電波も途切れがちなので、もっと別の原因があるのかもしれない。

050から発信時の料金は相手先に関係なく一律30秒8円(税抜)の計算だが、これまで使っていた楽天でんわが30秒10円の料金なので、2割ほど安く済むということになる。楽天でんわの方は100円ごとに楽天スーパーポイントが1ポイント(楽天カード決済なら2ポイント)つくが、2割引きに比べればたいしたメリットではないだろう。

会社専用の電話番号を持つことによるメリット

となると、品質は音声通信に劣るが050を普段利用した方が電話代を安く抑えられることになる。しかも050は会社用の番号として使い分けて全額経費につけるつもりだから、プライベート用と面倒な費用按分しなくても済むことになる。すべて会社の用事で050からかけたことにすれば、通話料の全額経費化も可能だ。

名刺に記載する電話番号とか、プライベートな番号を伝えなくない脱毛サロンの予約とか、050はフル活用できそうだ。私用と社用の電話番号を使い分けるのは理にかなった行為なので、堂々と使いまわしてよいだろう。

さらに進んで050データSIMという選択肢も…

IP電話関連の情報を調べていたら、最近はデータ通信にSMS付きのプランが出ていて、これと050アプリを組み合わせるとWiFiなしでも常時発着信できるとわかった。契約中の楽天モバイルからも、Viberを使った「050データSIM」というプランが月額645円(税抜)で登場していて魅力的に見える。長年使い続けた090の携帯番号をついに卒業して、格安IP人間として生まれ変わるのもありかもしれない。

しかしIP電話のデメリットとして、

  • 110/119にかけられない
  • 通話品質が劣る
  • モバイルSuicaが使えるかわからない

という不安がある。

特におサイフケータイが使えず別途カードを持ち歩くとなると、ミニマリストとしてはNGだ。新幹線予約のEX-ICも連携させているので、モバイルSuicaがない生活など考えられない。

ビックカメラSuicaのクレジットカードにもSuica機能はあるので少額チャージているが、こちらはスマホを忘れたときとかの緊急用と割り切っている。