マンションの玄関ドアが閉まるスピードが異様に遅い。さらに閉じる間に耳障りな音がする。
いろいろ対策を調べて、ドアクローザーの調整弁をいじってみた。さらにクレ5-56で蝶番に注油したら、音鳴り問題は解決できた。
ドアから異音
最近マンション全体でドアクローザーの交換があった。その後2か月ほど経ってから、ドアが閉まる際にきしむ音が気になってきた。
扉が閉まる最後のフェーズで、「ギーーー…」という耳障りな音が鳴る。最初は数秒で収まる感じだったが、次第に長くなり10秒くらいノイズを聞かされるようになってきた。
音鳴りの原因はドアクローザーなのか、扉を支えている蝶番なのか判別がつかない。毎日何度も開け閉めするので、音がうるさいとかなりのストレスを感じる。
とりあえず蝶番の方に自転車用のチェーンオイルを垂らしてみたが、ノズルがないので奥まで注油できなかった。音鳴りの状況も変わらない。
ドアクローザーの調整
とりあえずドアが閉まる速度が異様に遅いので、先にクローザーの方を調整してみた。
設置当初は問題なかったが、ここ2か月のあいだにだんだん閉まる時間が延びてきた感じ。クローザーの仕組みを調べたところ、「調整弁」と呼ばれるネジを回せば閉じ速度を変えられるらしい。
調整弁のネジを回す
ひとまずクローザーの下側に付いているキャップ付きの突起を開けてみたが、内部にネジ穴らしきものは見当たらない。
この四角い突起をペンチで回せばよいのだろうか。土台のパーツにくぼみがあるが、これごと回すには専用工具が必要そうだ。クローザー自体が調整不可能な古い型なのかと思って、一瞬あきらめかけた。
しかしクローザーのまわりをよく見ると、側面に別のネジ穴があった。ドア側にプラスドライバーで回せるネジが2本付いている。
反対側の側面を見てみると、RYOBIのロゴと一緒に①②③と書かれた3つのネジがあった。どうやらこれが調整弁のようだ。
壁際の見えない部分にあったので、なかなかわからなかった。隙間は狭いが、短めのL字ドライバーを差し込めばネジは回せそうだ。
クローザーの開閉速度調整
調整弁の3つのネジは、ドアが閉まる3つのフェーズに対応している。
今気になっているのは、閉まる間際の第2~3速度。対応する②と③のネジを反時計まわりに回してゆるめたら、開閉速度が変化するようになった。
あまりゆるめすぎると、ドアが途中から急にバタンと閉まってびっくりする。微妙な操作感覚だが、何度かネジを回してよさげなスピードに調整できた。
場所的に扉側にある第3ネジが回しにくい。ネジ頭を目視できないので、手探りで作業するしかない。気をつけないとネジ穴をなめてしまいそうだ。
フェーズ変更時のショック現象
開閉速度は調整できたが、今度は①から②へフェーズが変わる際に、一瞬ガクッと扉が引っかかる現象が出てきた。
これは車のギアを変える際に起こる変速ショックとよく似ている。車の場合はエンジンの回転数を落とせば衝撃をやわらげられるが、ドアクローザーは他にいじれるところがない。このままだとクローザー内のパーツに負荷がかかって傷んでしまいそうだ。
さいわい何度か開閉を繰り返すと、次第にショックが少なくなってきた。ドアクローザーは内部にカムやシリンダーがあるため、慣らし運転が必要なようだ。しばらく動かすと部品がなじんで挙動が変わってくる。
ドアのヒンジに注油
扉の閉じるスピードが速くなったので、音鳴りの時間も短く済むようになった。しかしノイズの原因はクローザーではなく、やはり蝶番の方にあるように思われる。
クレ5-56を購入
ヒンジにチェーンオイルを垂らすだけでは効果がなかった。そこで結局スプレータイプのクレ5-56を買ってきた。
これなら細いノズルが付いているので、ヒンジの奥まで油を差せる。またキャップにノズルを収納する溝が付いていて、収納時に管を紛失しにくいのもありがたい。
クレ5-56の標準タイプなら、70mlの最小サイズが売られている。本当は無香性タイプがよかったが、近所のスーパーでは取り扱いがなかった。
ほかにも5-56には防錆性能が強化された屋外用の「スーパー」や、工業機械用の「DX」といった種類がある。しかし部屋のドアに注油するだけなら、安いノーマルタイプで十分だろう。
音鳴り解決
部屋に付いている金属製の防火戸は、3つの蝶番で支えられている。それぞれスプレーで念入りに注油したら、やっと音鳴りを解決できた。
余分な油はティッシュで拭きとる。オイルのおかげで、こびりついていた埃や汚れも取れて、金具がピカピカになった。
その後1か月くらい経つと、また扉の開閉時に騒音が出るようになってきた。どうやらヒンジの注油はこまめに行う必要があるらしい。
もしかすると5-56の強力バージョンを使えば、メンテナンスの頻度を減らせるのかもしれない。とりあえず今のスプレー缶を使い切るまでは、このまま様子を見てみようと思う。