賃貸住宅のダイキン製エアコン、内部クリーン・おそうじサインの対応法

この夏、連日の猛暑で昼も夜もほとんどエアコンをつけっぱなしにしている。今の部屋で3年ほど暮らしているが、とうとうエアコンの「おそうじサイン」が出たので、説明書を読みながらクリーニングに挑戦してみた。

内部クリーンしても消えないおそうじサイン

最初から居室についていたエアコンはダイキン製。2012年の製造なので、リノベーションの際に新しく取り付けられたのだろう。本体下面のラベルで型番はS22MTES-Wとわかったので、ダイキンの公式サイトから検索すれば取扱説明書は手に入った。

型番がいくつかあってまぎらわしいが、頭文字だけ違うF22MTES-Wというのは室内側の本体、R22MESは室外機、ARC468A1というのはリモコンの番号だった。説明書が手に入るのは、システム全体のS22MTES-Wというものだ。

シーズンごとに、前面パネルの裏にあるエアフィルターは取り外して水洗いしていた。パネルを開けると細かいほこりがたまっているのが見えるので、なるべくこまめに掃除した方が気分はいい。下に引っ張るだけで外れて、流水にさらしながら軽くスポンジでこすればほこりは取れる。

今回メンテナンスしたのは、フィルターの奥にあるストリーマユニットだ。そもそもこれが何なのか知らなかったが、説明書を読むと「ストリーマ放電による光触媒集塵」で、空気清浄効果があるらしい。

よくわからないが、マイナスイオンよりは信ぴょう性がありそうだ。念のため調べてみたら、シャープのプラズマクラスターやパナソニックのナノイーと並ぶ、ダイキンの空気清浄技術らしい。3つの中では一番マイナーだが、実は最も強力とのうわさもある。

リモコンについていた「内部クリーンボタン」を押すと、暖房運転でエアコン内部を送風・乾燥させ、カビや臭いを減らせるようだ。ただし、内部クリーンを実行しても「おそうじサイン」のランプは消えなかったので、物理的に洗浄するしかない。

ストリーマユニットの取り外し方

説明書後半の「お手入れのしかた」を読んで、ストリーマユニットを外そうとしたがどうも構造が解せない。メッシュ状のエアフィルターを押さえるプラスチックのパーツが中央にあり、これが引っかかってユニットが引き出せないように見える。

しばらく観察して頭をひねったが、前面のネジを外して分解するしかないと判断した。説明書の型番は合っているし、最近の製品でも多少不親切なことはあるのだろう。シーズンごとに清掃が必要なストリーマユニットだが、ドライバーでネジを外すくらいは許容範囲といえる。

両脇のネジを外してから次にどうしようか考えたところ、内部のパーツを外すにはエアコン全体のカバーをごそっと外すしかないと気づいた。さすがにここまでくると大事で、何かやりかたが間違っている気がしてきた。

ネジを外す必要はなかった

ネットで検索すると、ダイキンのFAQに「エアストリーマユニットのお手入れ方法」というマニュアルが見つかった。GIFアニメで各パーツの外し方が詳しく説明されており、どうやら当該のユニットは、右側部分についている小さなパーツだとわかった。

下からだと全然見えないのだが、ユニット上部に「STREAMER UNIT」とたしかに書いてある。てっきり表に見えている大きな部品をごっそり外すのかと思っていたが、そこまでやる必要はなかったようだ。

説明書にある取り外し方のイラストが、ユニット部分を大写しにした絵だったので、これが本体右側部分の拡大図だと気づかなかった。自分が間違うくらいだから、おそらく問い合わせやクレームも多いのだろう。FAQでやたら詳しく説明されているのは、そのせいでないかと思う。

集塵・脱臭フィルターは水洗い厳禁

問題のエアストリーマユニットは、左右についているストッパーを押すと簡単に外れた。この作業も説明書では省略されているので、無理やり引っ張って壊す人も多そうな気がする。

さらにユニット内のプラスチックカバーを横にずらして外し、金属部分を露出させることができた。さらに裏面の「光触媒集塵・脱臭フィルター」もツメから外して分離する。注意点としては、ユニット自体は水洗いだがこのフィルターは濡らしてはいけないという点だ。

説明書でも、「水洗いすると、集塵・脱臭効果が低下して使えなくなります」とある。効果が下がるだけでなく、使用不能になる。致命的なエラーなのに、構造上ユニットと一緒に洗ってしまいそうだ。交換用フィルターの売上を伸ばしたいとか意図がなければ、もの自体に「水洗い厳禁」とでもシールを貼っておくべきだろう。

集塵・脱臭フィルターは見た目的にびっしりほこりがついて汚そうだが、マニュアル通り掃除機で吸っても全然取れない。どうやらこのグレーのふわふわしたものは、フィルター自体の繊維であるようだ。不織布のような感じで、細かいちりを絡めとるのだろう。

掃除機をかけたうえ、ベランダに出て手でパンパンはたいたら、さらにほこりを取り除けた。前面のエアフィルターと違って、目に見えないレベルのほこりを集塵しているのだろう。見た目的に変わりはないが、一応指示通りに清掃したのでよしとする。

ストリーマユニットはつけ洗い

ストリーマ放電が行われる金属板の清掃方法としては「ぬるま湯または水に約1時間つけおき」とある。水に触れることで化学的に効果が回復するのか、理由は書かれていない。面倒だったので、結局水道でじゃぶじゃぶ洗い、天日干しして済ませた。

ほこりを取ったフィルターを背面に取り付けて、ストリーマユニットを元通りに入れ直した。仕組みがわかればいたって簡単な作業。やはりいまどきの家電で、消費者がメンテするのにネジを外すというのはなさそうだ。やり方はわかったので、説明書通り季節ごとに清掃するようこころがけたい。

その後、エアコン本体の電源プラグを差し込み、リモコン側で「サインリセット」ボタンを押すと警告ランプの点滅が終わった。どうやら内部クリーンランプの作動条件は「1800時間以上の運転」とあるので、別にフィルターの汚れをセンサーで監視しているわけではなさそうだ。

エコ自動や快眠機能について

あらためて説明書を読むと、いままで使いこなせていなかった機能がいろいろあることに気づいた。「エコ自動」というのは、外気温と室内温度を比較して、自動で運転モードを選択して温度も調整してくれる、便利機能だったようだ。

以前試して、「エコにすると効き目が弱まるだけの使えない機能だ」と思ったが、プラスマイナス5度の範囲で効き具合を調整できることもわかった。特にこだわりがなければ、1年中フルオートでエコ自動運転するのが効率的で、電気代も浮くのだろう。

「風ないス」という謎のボタンを押すと、「風を直接体にあたりにくくする」という素晴らしい効用がうたわれている。どんな技術かと思ったが、単に風量自動、フラップ向きが冷房だと上、暖房だと下向きになるだけのことだった。

ストリーマの空気清浄は、フィルター清掃方法がわかったので惜しみなく常時稼働させておきたい。湿っぽい時期には、たまに2秒間ボタン長押しして「内部クリーン」を実行するとよさそうだ。「快眠」ボタンは切タイマーではなく、1/fゆらぎのリズムで設定温度より1度高めに室温を変化させ入眠をうながすすごい機能だとわかった。

賃貸住宅に備え付けの冷蔵庫やエアコンは、説明書がなくても適当に使うことはできる。故障するとか警告が出るとか、必要に迫られなければめったに読まない家電の説明書だが、いろいろ便利な機能を知ることができて役に立った。最近のエアコンは安いモデルでも、空気清浄や自動調整など新機能が搭載されているようなので、ぜひ使いこなしてみようと思う。