TUMIやBRIEFINGに似合うタクティカル・ノートブック・カバー

コクヨのシステミックという製品を見ていて、ダイアリー形式のリフィルを入れれば手帳としても活用できるように思った。

ペンホルダーやポケットのついたノートカバーをベースに、手帳や財布として拡張する案はどうだろう。スマホや小物類も詰め込めば、万能ポーチとして携行品はこれ1つで間に合う可能性もある

システミックは便利だが、ジッパー付きのポケットが付いていないので財布としては使えない。類似品を調べていたら、米国製のTactical Notebook Coversという製品群が輸入されていると知った。

B6サイズのリングノートが収まる4054 Spartanという商品を買ってみたので、使い勝手をレビューしてみようと思う。

仕事にもつかえるミリタリーグッズ

タクティカル・ノートブックからは、大きさやポケットの配置によって多くの製品がリリースされている。さらにベルクロ部分にアタッチできるワッペンやオプション品もそろっており、カスタマイズの自由度が高い。マジックテープを使えば、自作のペンホルダーやガジェット類もアタッチできるだろう。

色合いはブラック、コヨーテブラウン、迷彩柄の3種類くらいしかない。MILスペックかどうかは不明だが、米国版の公式サイトを見ると完全に軍用品という位置づけである。通販ショップでも、銃やナイフと同等に取り扱われている。

ベージュやカーキ色は少々カジュアルだが、ブラックならビジネス用に使っても違和感がない。TUMIやBRIEFINGのバッグとそっくりなので、合わせて持つとかっこよさそうだ。実用性に徹したストイックな仕様が、男心をくすぐる。

購入したアイテムも、「タクティカル」とか「スパルタン」という商品名がぐっと来た。まぎれもなくMade in USAで、BRIEFINGの廉価ラインのように、ちゃっかり中国製だったりしない。この手の武骨な商品に魅力を感じる男性ユーザー層は多いので、東急ハンズやロフトの店頭に並べたら結構人気が出ると思う。

国産品に比べるとつくりが丁寧とは言い難く、「大は小を兼ねる」という感じのざっくりしたコンセプトだ。想定用途に見合った耐久性は担保されているので、「現場で使えれば十分(必要以上の精度はいらない)」という米国流のプラグマティズムを感じる。

B6サイズのノートが入るスパルタン

タクティカル・ノートブックのシリーズは、大きく分けてラウンドジップとベルクロ付きのベルトで閉じる2種類ある。今回は素早く開閉できそうな後者を選んでみた。

当初は米国版の野帳、FIELD NOTESに合うサイズを探していたのだが、注文したスパルタン・アーミー・グリーンブックカバーは一回り大きいB6対応だった。このサイズなら、コクヨのソフトリングとマルマンのスパイラルノートが両方手に入る。

B6サイズのノートをポケットに挟むと、上下左右にかなりの余裕がある。

このあたりのアバウトさに、いかにも米国らしさを感じる。締め付けがゆるすぎて、たまにノートが滑り落ちてしまうのが欠点だ。ノートの背中をトラベラーズノート的なゴムひもか何かで押さえれば、フィット感は増すだろう。

米国製らしい大雑把なつくり

カバー端の縫い目を見ると、どうもフニャフニャ歪んでいるように感じる。ただし、負荷のかかる部分は冗長すぎるくらい糸を重ねて縫われており、強度は問題なさそうだ。

表紙に5本もペンを差せるポケットがあり、デザイン上のアクセントにもなっている。ところが縫製が雑でペンホルダーの内径がバラバラなため、太いペンだと差せる位置が固定されてしまう。逆に細いペンだとぶかぶかすぎる穴もある。

これは多様な太さのペンをフィットさせるために、わざと内径を変えて縫い付けたのだと信じたい。もっともアメリカでは製造元も使う人も、ペンホルダーの内径がちぐはぐなことなど気にしない(気づかない)のかもしれない。

ベルクロが頑丈すぎてうるさい

背面のポケットにマチはないが、紙幣やコインは問題なく収まる。表紙のマジックテープは特に使うあてがないのでそのままにしているが、ほこりやゴミを吸着するのでだんだんみすぼらしくなる。

ベルト部分のテープ接着力は十分すぎるほど確保されている。むしろ、毎回べりっと剥がすのがストレスに感じるくらい、ベルクロが強固に貼りついてしまう。開け閉めする度、マジックテープを外す音が騒々しい。

期待通り、仕事でも旅行でもタフに使えそうなアイテム。全体的につくりは雑でも、強度が必要な個所は過剰に補強しようとする意図が感じられる。

TACTICAL NOTEBOOK COVERS.com

★★★★★MADE IN USA★★★★★

ブランドのタグは内側左上の目立つ位置に取り付けられており、デザインもダサい。何とかはがしたいと思うが、ここも強固に縫い込まれているので改造に手間がかかりそうだ。

特徴的なペンホルダーに賛否両論

B6サイズのダイアリーを入れれば、ノートカバーというより手帳としても使えるだろう。ペンホルダーが充実しているので、万年筆や蛍光ペンで彩り豊かにメモしたい人には向いている。

ある程度の太軸までは対応できるが、ステッドラーの固形蛍光マーカー、テキストサーファーゲルは太すぎて入らなかった。また、ペン先が段状になっている製図用のシャーペンだと、へりに引っかかって入れにくい。

樹脂製の胴軸だと、荒いナイロン素材と擦れて傷がつきそうに思う。タクティカルにはLAMYのSwiftなど、真鍮・黒塗りの男気あふれる金属ペンを差すのがふさわしい。万年筆なら、パイロット・キャップレスのマットブラックが似合いそうだ。塗装が剥げて地金が見えてくるとますますかっこいい。

5本もペンを持ち運ぶ用事がなければ、カッターでも耳かきでも棒状のものは何でも突っ込める。ホルダーはペン先までしっかり保護されるので、外側に付いていても安全性に問題はない。

筆記具を表紙の外側にセットすると、ノートを開いてから出し入れしにくい。実際に使ってみて、右利きならペンホルダーは紙面の右側に備えてあるのが便利だと感じた。

ベルトの取り付け位置にゆとりあり

ベルトのマジックテープ接着面積が広いおかげで、ノート以外に余分にものを挟んでも閉じることができる。札入れや株主優待券を入れたポーチなど、一緒に束ねて持ち運べるのが便利だ。

薄手の文庫本や新書も挟めて、電子書籍リーダーを入れれば簡易的な保護ケースにもなる。

セカンドバック的に持ち歩くにはいいが、ポケットに入らないのがいまいちだ。ひもを通して肩掛けショルダーにしたら、小型のポーチかサコッシュのようにも使えると思う。

大きすぎてポケットに入らない

手ぶらで散歩したり自転車に乗るには、やはりパスポートか野帳サイズでポケットにしまえる方がありがたい。逆に単体ノートとして使うなら、B6サイズというのは少々中途半端な大きさだ。

国内でもっと安く手に入る類似品に、カリマーのA4サイズ、ノートブックケースがある。同じくミリタリー調のナイロン素材で、タブレットケースとしても使えそうだ。

タクティカル・ノートブックのシリーズには、さらに小型のスマホ対応からフィールドノート、モレスキンが収まる各種サイズが用意されている。ただし、小型でも厚みは相当ありそうなので、ポケットに収まるかどうか疑わしい。そのあたりはコンパクトさより耐久性を重視した結果といえる。

今回入手したB6版はいまいち使いにくい大きさだったが、フィールドノートの愛用者なら雰囲気的にもばっちり合うと思う。米国製品どうし、ペンもフィッシャーだとお似合いだろう。