2週間で立て続けに2台、スマホの画面を割ってしまい落ち込んでいた。自転車のサコッシュから滑り落ちたGalaxy S6 edgeは自業自得とはいえ、MILスペック対応の頑丈さを期待して買ったarrows Fit F-01Hの即死は、さすがに納得がいかない。
ドコモの修理費も高額なので、3台目の中古スマホを物色していたが、新学期で白ロムも需要があるのか価格が高止まりしている。せっかくMVNOの格安SIMや、050番号のIP電話で通話料を安く上げているのに、そう何度もスマホを買い替えていては身が持たない。
そんな中、画面が割れたS6 edgeの設定をいじっていたら、楽天モバイルのSIMでもテザリングできることがわかった。派手に割れているとはいえ中身はちゃんと動いているし、数年前のフラグシップ機とあって、ミドルレンジのSIMフリー製品よりCPUもカメラも格段に高性能だ。
半信半疑で買ってみた「スマホの絆創膏」
このまま完全崩壊するまで、S6 edgeを使い続けられないかと考えていたところ、割れたスマホの画面を保護する「スマホの絆創膏」というアイデア商品を見つけた。すでに割れてしまった画面を守り、二次被害を食い止めて延命させようという逆張りのコンセプトが素晴らしい。
メーカーやキャリアからすれば、スマホの故障というのは「大人しく機種交換するか、修理して差し上げましょう」と売り上げを伸ばすチャンスだ。ユーザーとしても「新しいスマホに替える理由ができた」と、ついつい財布のひもが緩んでしまいがちになる。
そんな中、わずか1,000円で割れたスマホを「まずまずの状態」まで修復できるというスマホの絆創膏。もし期待通りの性能なら、画期的なエコ商品だ。
評判はどうかと思って調べたが、これだけ興味深い製品にも関わらずウェブに出ているレビューが少ない。検索でかかるのは、メーカーが用意しているチュートリアルを紹介した二次情報ばかりだ。
それもそのはず、たかだか1,000円の商品をレビューするために、自分のスマホを叩き割る人もいないだろう。
自分でフィルムを切り抜くDIY製品
絆創膏の使い方だが、大き目のフィルムを自分のスマホに合わせて切り抜くため意外とDIYの要素がある。鉛筆やはさみが必要になるうえ、割れたガラスの破片を取り除くため歯ブラシの利用も推奨されている。
写真入りの詳しい説明書が同梱されているので、自分のように不器用な人間でも、マニュアル通り慎重にやれば問題ないだろう。
作業手順は以下のとおり。
- スマホを伏せた状態で、外形に合わせて鉛筆でなぞる。
- 白い台紙ごとはさみで切り抜く(大き目に切るのがおすすめ)
- 画面をきれいにして、はく離紙を剥がして貼り付ける。
- 表面の透明な保護シートを剥がして、フィルムを密着させる。
- ボタン・カメラ・スピーカー部分をカッターで切り抜く。
普通の画面保護フィルムに比べると、ふにゃふにゃしたサランラップのような質感で、特に気泡が入りやすいということはなかった。最後のカッターでパーツを切り抜くのが結構難しく、前面カメラを丸く切り抜くには 30度の鋭角カッターがあると心強い。
ガラスの段差が消えてスワイプがスムーズに
作業風景を撮影しようと思ったが、手元に使えるスマホが当の1台しかなく、デジカメもとっくの昔に手放してしまっている。
苦肉の策でノートPCのカメラを試したが、画質はいまいちだ。Windows8.1のカメラアプリを使ったのは初めてだが、スマホのカメラアプリのように写真/動画撮影できるので、いざというとき役に立つと知った。
仕上がりとしては我ながらうまく貼れた方だと思う。肌触りはしっとりして、スワイプしてもガラスの割れ目に指先が引っかかる感覚がなくなる。ガラスの崩壊が進むとか、指を切る危険性がなくなり、確かに安全性は高まる。
ガラスの細かいヒビが消えた!?
しかも接着剤が割れ目を引き締めるのか、非光沢のシールが段差を目立たなくさせるのか、不思議と画面のヒビが気にならなくなった気がする。もちろん大きな傷はそのままなので見にくいのだが、クモの巣状に画面にびっしり入っていた亀裂が、ほとんどわからなくなってしまった。
見た目の印象としては、光沢がない代わりに画面全体が曇って、すりガラス越しに見るような感じになってしまう。ちょうど安物の画面保護フィルムを張ったときと同じような感覚だ。それでも絆創膏を貼ったおかげで、細かい割れ目が目立たなくなり、段違いの快適さを得られる。
スマホが割れるのが待ち遠しくなるアイテム
とりあえずスマホの画面が割れたら、買い替える前にだまされたと思って試してみてほしい。わずか1,000円の投資で驚くほど効果を期待できる。
これからはスマホが割れても大丈夫。次の新製品が出るか、欲しい機種の白ロムが安くなるまで、壊れたスマホを絆創膏で延命させるという選択肢がある。
割れたスマホを使っていると、穴の開いた靴を履いているようで、正直みすぼらしいイメージがあった。しかしこれからは、割れた瀬戸物を金継ぎするようにスマホに絆創膏を貼って、物を大事にする大人がモテるかもしれない。
ちょっとした話のネタにも「スマホの絆創膏」、かなりおすすめだ。