エルメスGMに適合する伊東屋カラーチャートとダイゴーの小型手帳

春先にパスポートサイズの手帳が欲しくて手に入れたエルメスのアジャンダGM。定価54,000円もする高級品だが、中古なら意外と安く1万以下で入手できた。

カバーは手に入れたものの、高価なエルメス純正リフィルを合わせる気は毛頭ない。似たようなサイズの他社製リフィルが使えることは、事前にリサーチ済みだ。純正品のサイズは83×125mmなので、これに近いものを探して調整すれば収まるはず。

伊東屋のカラーチャート

エルメスリフィルに最も近いと思われるのが、伊東屋のオリジナル製品、カラーチャートのダイアリーだ。87×123mmサイズで純正品より幅が4mm大きく、高さは2mm小さい。このくらいは誤差の範囲で何とかねじ込めるだろう。

同じカラーチャートのシリーズで、専用の革カバーも各色販売されている。こちらは型押し革の8千円以上する高級品で、エルメスのコピー商品でないかと思われるほど仕様が似ている。

カバーの左右にポケットがついて、リフィルはクリップ状の針金にノートのリングを引っ掛ける方式。開いて右側にはカード入れも1つ設けられているので、実用性は伊東屋の方が上かもしれない。

ただ、色展開が6色もあるのにブラックはない。一番地味なネイビーを選んでも、ステッチは目立つ水色。リフィルの金属リングだけでなく、紙面の小口までゴールドに塗られているのが、まったく趣味に合わない。

リフィルは1種類で小口が金色

リフィルは1月始まりで、見開き2週間のワンパターンしか用意されていない。経験上、手帳に見開き2週間と月間カレンダーがあると、使い方がかぶって持て余してしまう。見開き2週間の狭い欄に書ける程度の予定なら、月間コーナーに収まる。ページ数は増えても、見開き1週間の方がメモスペースが広くて使い勝手はよい。

リフィルの中には、いまいち使う機会のなさそうなガントチャートやアドレス帳が挟まれている。度量衡換算表や「手紙のマナー」なんておまけページも、今はネットで調べる方が早いので手帳には必要ない。メモ帳はどのみち足りなくなるので、別途つぎ足すことになる。

検討したのが4月だったので、すでに今年分のリフィルは品薄だった。念のため銀座の伊東屋に行って現物を確認したが、やはりリフィルの側面がゴールドなのが気に入らない。4月始まりのバージョンもないし、リフィルだけで税込1,296円もするので、カラーチャートの購入は見送った。

ダイゴーの小型手帳

リフィルのバリエーションを重視するなら、国内メーカーの綴じ手帳が種類豊富だ。毎年発売されて、近所の本屋でも簡単に手に入るのがうれしい。GMより小さめサイズの中から選んだのはダイゴーのアポイントE1108。4月はじまりの見開き一週間で、表紙寸法は実測73×116mm。

想定サイズより小型だが、背中に付属のミニ鉛筆を差せるパイプが通っている。ここをカッターで少し切り欠くと、ちょうどカバーのクリップを引っ掛けられる。

両面テープで貼りつける方式の市販ペンホルダーと組みわせると、カバーより手帳の幅が狭い分、ペンが隙間にぴったり収まる。手帳の厚みが増さず、ペンだけカバーからはみ出て傷む心配もない。

エクリドールXSを通せる太めのペンホルダーも見つかった。マークスから発売されている安めの合皮製品だが、ダイゴーのカバーにはよく似合う。両面テープの接着面積が広く、重めのペンを挟んでも安定感は抜群だ。

カレンダーに六曜表記があるのはいかにも国産手帳。月曜始まりの週間レフト方式で、使い勝手は文句ない。文具の実用性に関しては、やはり国内メーカーが勝る。エルメスの中にダイゴー、海外製のボールペンにジェットストリームのリフィルを差すような感覚だ。

高橋や能率手帳、博文堂の小型手帳もカバーに合わせてみたが、微妙なサイズ感の違いがあり一番フィットするのはダイゴーだった。紙面の小口が暗めのシルバーで塗られていて余計に感じるが、伊東屋のゴールドに比べればましだ。

手帳 in 手帳は微妙

しばらくエルメスにダイゴーを入れて持ち歩いてみたが、カバーに比べて書き込める面積が狭いのは気になった。せっかくのパスポートサイズなのに、中身がミニ5穴のリフィルと同程度でメモを取る効率が悪い。

また、外見はエルメスの高級革なのに、中を開くと安物の合皮カバーが見えるのはちょっと残念に感じた。カバー付きの手帳をさらに別のカバーで覆うのがナンセンスだし、チープな金字でAppoint Diaryと刻印されているのもいまいちだ。

単体のミニ手帳として見れば、ダイゴー製品はよくできていると思う。しかし、エルメスの中に装備すると相対的に寒々しく見えてしまう。やはりダイゴーはカバーになど入れず、潔く単独で持つのが理に適っている。