社会人になってからは何となく見た目の印象が悪いかと思って丸刈りは避けていたが、晴れて非社会人になったので久々にバリカンで坊主にしてみた。
ちょうどヒゲの脱毛を始めたところで、さすがに頭皮の永久脱毛というサービスはないのだが、頭髪もすっきりしたい気がしていた。GW中から気温が高く今年の夏は暑くなりそうなので、坊主になって温暖化にそなえたい。
床屋は1,000円カットで満足しているので、特にこれ以上安く上げる気はない。自宅でカットして散らかった髪の毛を掃除したり、失敗して変になるリスクに比べたら、千円でそれなりに仕上げてくれる格安美容院の方がずっとましだ。
ただし単純に坊主にするとなると、バリカンを使って自分でできないこともない。昔はしばらく自分で刈っていた時期もあったので、久々にセルフカットを試してみた。
見た目普通で手間がかからない9mm坊主
これまで試した髪型の中で、ミニマリスト的に手間がかからなくてベストなのは9mmくらいの丸刈りだと思う。それ以上短いと地肌が透けて見えてちょっと恥ずかしい。禿げてきたら3mmくらいでもいいと思うが、そうでもなければ短すぎる坊主は僧侶か罰ゲームっぽくてちょっと気が引ける。
一時期スキンヘッドにしていた時期もあったが、ひげを剃るくらいの頻度で数日ごとにカミソリを当ててキープしないといけないのが大変だった。また、頭皮がノーガードなのでものがあたると切れそうで、外を出るのが怖くなったりする。
理想的には猫の毛のように、夏は坊主にして、冬は伸ばして保温性を高めるのが合理的だと考えている。髪型もファッションと同じTPOと考えると、ビジネス上は多少おしゃれに見えるくらいの長さがあった方が印象がいい。クリエイターなら坊主でも構わないが、営業担当ならスポーツ刈りくらいまでが無難だ。
坊主でもある程度伸びてくると寝癖がつくようになり、髪が短いので水で濡らしたくらいでは直らなかったりする。寝癖対策としては、ある程度長さがあった方が自重で下がってきて直しやすいといえる。
いろいろ考えると坊主がベストとは言えないが、風呂やプールの後でドライヤーを使わないで済むのは便利だ。とりあえず今年の夏は久々に短髪で過ごしてみようと思って、家電屋にバリカンを買いに行った。
デザインがいいブラウンのバリカンを購入
以前は日立の丸洗いできるバリカンを使っていたが、とっくに処分してしまった。店頭を見ると、髭剃りのシェーバーも売っているパナソニックとフィリップスの製品が目立っている。ほかにイズミやテスコムという一回り安い国内メーカーもあり、デザインは微妙だがスペックはむしろ優れているように思う。プロ仕様をうたっているWAHLというメーカーも気になったが、やや高すぎた。
事前に調べた中で、パナソニックの「毛クズ吸引タイプ」ER511P/510Pが便利そうに思ったが、実際に見ると大きすぎて扱いにくそうだった。バッテリー駆動でないのも気になり、自分でカットするならバリカンは小さい方が取り回しやすい。
パナソニックのコンパクトタイプで廉価なER503PPや、「刃のみ水洗いOK」のER-GC10がいいと思ったが、同じ価格帯の他社製品に比べると4段階しか調整できないのが気になった。今回は12mmより長いカットも少し試してみたいと思っている。特にこだわりなければこの2機種が小さくておすすめだ。
結局選んだのはブラウンのヘアクリッパーHC5030だった。髭剃りでブラウンはメジャーだが、バリカンはこの1製品しか店頭に並んでいなかった。スペックを比べて迷う余地がないので、むしろバリエーションがない方が選びやすかったといえる。
ブラウンは見た目のデザインが断トツでかっこよかった。表面の段差が少なく余計な装飾パーツもなく、スイッチ類もすっきりして押しやすい。アップル製品にも影響しているディーター・ラムスの精神が、バリカンにも受け継がれているようだ。
価格は税込み3,920円だったが、ちょうど届いたビックカメラの株主優待券が使えた。残りはビックSuicaカードの利用で貯まっていたポイントを使って決済した。
鏡やすきばさみは100均で買える
その他に散髪用品として、100均でヘアキャッチャーと鏡、使うかわからないが櫛とスキカットできる療養のカミソリも買ってみた。100円の散髪用ハサミ、すきバサミも売っていたが、そこまでは使いこなせないと思う。
ブラウンのHC5030は開けてみるとやはりほれぼれするデザインだ。スキカットの機能はないが、3mmから35mmまで2つのアタッチメントで段階調整できて、スライダーの動作や固定も問題ない。初回の利用は8時間以上の充電がすすめられているので、一晩つないで寝かせておいた。
今回の方針は、まずブラウンのバリカンで最長の35mmで全体を刈ってみて、そこからサイドとバックを短めに整えようと考えている。ウェブで調べると、どうも最近のおしゃれに見える坊主は単なる丸刈りでなく、トップを長めに残したソフトモヒカンが主流であるらしい。あまり激しいツーブロックやモヒカンは大人げないので、生え際を少し短く切りそろえるくらいでよいかと思う。
ある程度長さがあるとバリカンで切りにくいが、片手で髪をわしづかみにして、ぎこぎこ当てると徐々に作業がはかどってきた。横や後ろも鏡を見ながらカットしてみるが、結局自分の腕が邪魔で見えなかったり、鏡越しにバリカンの動かし方がわからなかったりして、結局ほとんど見ないでカットしてしまった。
セルフカットでおしゃれ坊主は難しかった
なんとなくイメージ的に007のダニエル・クレイグみたいにできるといいと思ったが、35mmに揃えた時点でまったく話にならないとわかった。直毛で短くなるとツンツン立ってくるせいか、仁義なきトラック野郎の菅原文太にしか見えない。欧米人の細くて寝ているくせ毛でないと、ダニエルのようにはならないようだ。
このままではやばいと思って、20mm~9mmまで段階的にサイドとバックにあててみたが、自分でやるといまいち自然な感じにならない。ところどころえぐり過ぎた穴ができてしまい、取り繕おうとして周りを刈ると、どんどん短くなってしまう。
昔坊主にしていた時は9mmの丸刈りでシンプルだったのだが、30mmくらい長さを保った坊主をおしゃれに見せるのはきわめて難しいと悟った。耳の周りと襟足だけならともかく、側面と後頭部を床屋で切ってもらうように自然なグラデーションで丸く仕上げるのは、セルフカットでは不可能だ。
最終手段として想定通り9mmのオールカットで済ませようかと思ったが、ソフトモヒカンなおしゃれ坊主も一度試してみたいので、中途半端だがトップは35mmに残したままでやめてみた。意図的にアシンメトリーに仕上げたわけではないが、できそこないのジャガイモのように頭がごつごつしている。
スキカットも加減が難しい
多少すいた方が自然に見えるかと思って100均のカミソリも当ててみたが、適当にジョリジョリやっているとやはり穴が開いてまばらになってきたので断念した。くしなど使う余裕もなかった。やはり千円カットでもプロのテクニックにはかなわない。自分でやるなら、目をつぶってでもできる均一長さの丸刈り以外は難しいだろう。
これ以上手を加えると、取り返しがつかなくなるように思われた。すき加減は弱めでマリモのような頭だが、2週間くらいきりがいいところまで伸ばしたら美容院で整えてもらおうと思って途中でやめておいた。見た目的にはヘルメットのようで、全然おしゃれでない普通の坊主になってしまった。しばらく過ごして気に入らなかったら、やはりもっと短く刈りそろえるかもしれない。
セルフカットできるのはツーブロック程度か
セルフカットの方法を調べてみたが、首筋の産毛を0mmでカットするなど、いろいろなテクニックがあるようだ。確かに床屋でも最後にバリカンを首に当てられる気がする。自分でやってみたが、いまいちバリカンの角度が決まらず産毛が剃れない。やはり後頭部を自分でカットするのは厳しい。
美容師や家電メーカーが公開している動画をYoutubeで調べてみたが、自分でできるのはせいぜい前から見えるツーブロックの部分をメンテナンスするくらいだろう。いったん美容院でカット位置を決めてもらえば、その範囲にバリカンを当てればいいので失敗はない。
後ろの方はよく見るとクレーター上の穴ぼこや不自然な段差が残ってしまったが、適当にジェルで固めればごまかせそうに思う。まあ後ろは自分で見えないから、それほど気にならないだろう。
久々にバリカンで刈ってみて、やはりプロの技術はすごいと再認識した。ヘアキャッチャーは多少役に立ったが、細かい毛が部屋中に散乱して掃除に苦労した。いろいろ考えると、やはり千円でいいから髪の毛はお店で切ってもらった方が楽だ。DIYも試してみるのは悪くないが、おそらく14年前もそう思って自分で坊主にするのをやめたのだろう。