これまでにイオンカードセレクトをゴールドに育て、株主優待のオーナーズカードと100円割引券の併用で大幅割引を享受してきた。しかし引っ越し先がたまたまイトーヨーカドーの支配するエリアで、最寄りのイオン系スーパーまで2km以上離れている。自然と足が遠のき、とうとう半年間でイオン銀行ポイントクラブのステージ1(10万円)にも満たない決済額になってしまった。
セブン&アイ・ホールディングスに株主優待はないが、イトーヨーカドーではひそかにSuicaポイントが貯まることがわかった。さらに近所にある第三勢力の地元スーパー「エコス」でも、株主優待でイオンと同じく100円割り引き券がもらえると知った。
もしかするとイオン以外のスーパーでも優待やポイントを使いこなせば、それなりの還元率を達成できるかもしれない。数%のキャッシュバックを目当てに毎日2km先のイオンまで通うのはしんどいので、他店のポイント制度や使い勝手を比較してみた。
PB商品価格はイトーヨーカドー>エコス>イオン
価格的にイトーヨーカドーは割高だが、イオンとエコスは同程度。例えばヨーグルトの400gパックはプライベート・ブランドの商品だとイオンとエコスは100円を切る。
さらに「たれ・からし抜き」の納豆3個パックはイオンとエコスで扱っているが、イオンの方がさらに安く税込48円の破格で売られている。トップバリュ商品なら肉なしのレトルトカレーも1袋58円だ。
さらにイオンでは「訳あり」のりんごなど、安いB級品を多く出してくれている。多少傷がついていたり形がいびつだったりするが、中身は問題ない。
もやしが10円…イオンのPBは安すぎて不安
鶏の胸肉と同じく、もやしの価格はその地域の物価をはかるバロメーターになるが、今まで全国のスーパーを回ってみて、イオンの10円もやしより安いものは見たことがない。
種子は中国産だが、栃木の宇都宮で栽培されている。高価なうなぎなら稚魚を空輸する理由もわかるが、もやしの生産拠点を分けて物流コストが増えても採算がとれるのが不思議だ。税込10円は安すぎてさすがに不安に思う。
株主優待やポイント還元を抜きにしても、やはりイオン系スーパーの安さはほかより際立つイメージだ。ドン・キホーテやローソンストア100が近所にあれば、さらに安い品も見つかるかもしれないが、とりあえず全国展開していて品ぞろえも多い大手スーパーを比べるなら、イトーヨーカドーよりイオンを選びたい。
イオンはWAON以外キャッシュバック対象外だった
今期はポイントクラブのステージ特典がないので、WAON決済の還元率はイオンカードセレクトのデフォルト1%である。これなら別で持っているビックカメラSuicaカードのSuicaチャージ還元率1.5%の方がお得だと思って、セルフレジでしこしこSuica決済してきた。
しかし、たまたまセルフの方が混んでいたので久々に有人レジに並んだところ、Suica決済だとオーナーズカードのキャッシュバック対象外であることを知った。確かに公式サイトにも、WAONかイオンのクレジットカード払い以外は対象外と書いてある。
今まで「ポイント加算のためにイオンカードを提示してSuicaで払うのは気が引ける」と思って、こそこそセルフレジを使っていたのは何とも間抜けだった。
するとステージがない期間でも、WAON決済(1%)+オーナーズのキャッシュバック(3%~)を受けた方が、こっそりSuicaで払うよりわりがよかったといえる。クレジットカードもイオン内の対象店舗なら「ときめきポイント」が1%還元なので、セレクトカードのWAONと同じ還元率になる。
手間を惜しまなければ還元率を上げられるイオン
ポイントクラブのステージを獲得すると、オートチャージのポイントが上がるのはいいが、「毎月5のつく日」しか特典がつかないという縛りが面倒である。詳しくは以前まとめた記事を参照いただきたいが、半年で50万円使ってステージ 3になってやっと2%還元になるくらいなので、チャージのタイミングを合わせる手間を考えるとSuica決済の方が気楽である。
仮にイオン株を最低限100株保有して3%キャッシュバックを受けるとすると、セレクトカード併用で4%還元というのが初期状態とみなせる。お客様感謝デーの5%オフは使いにくいし、新たに加わった新WAON POINTの還元率も0.2%程度である。
これにマックスバリュ優待の100円割引券(お会計1,000円ごとに1枚使える)をうまく合わせれば10%オフになるが、なかなか1,000円きっかりとはいかないので、端数が出てくる。また、一人暮らしだとスーパーで毎回1,000円も使うことはなく、ついつい割り引き目当てに余計な刺身や惣菜を買ってしまうという罠もある。
がんばってステージ3をキープしながら、毎回まとめ買いして1,000円以上決済しない限りは、イオンの還元率がダントツで高いとはいえない。もちろんイオンを3,000株買って7%キャッシュバックを受けられるお金持ちや、毎月10万円もWAONを使う大家族なら話は別だ。一人暮らしでかかる年間の食費からキャッシュバック金額を試算してみると、イオンよりほかの高配当株に投資した方が有意義だといえる。
ハッピーカードとクレジットカード併用できるエコス
東京の西エリアや関東一帯にスーパーを展開しているエコスという会社がある。TAIRAYA、たいらや、やまうち、マスダなどもエコスグループだ。多摩地域や神奈川県に多いスーパーSANWAと似たようなものかもしれない。山形県と宮城県だとヤマザワだったり、イオンでもセブン&アイでもない、第三勢力の地元密着型スーパーというのが存在する。
エコスには独自のハッピーカードというものがあり、0.5%の還元率で500ポイントごとに500円分のお買物券がもらえる仕組みである。イオンのポイントのように1ポイント単位でフレキシブルに使えず、500ポイント貯めるには最低10万円の決済が必要なのでハードルが高い。
しかし、エコスでは頻繁にポイント3%、5%アップデーを開催している。曜日によるが、イオンのお客様感謝デー、ありが10デーよりは遭遇する頻度が高いと感じる。また月間の利用額が3万円~(65歳以上シニアだと2万円~)を超えると150ポイント~のボーナスが付く。誕生日月には200ポイントもらえる特典もあったが、これは2017年9月30日で終了してしまうので残念だ。
エコスでは電子マネー決済できないのが不便だが、クレジットカードをサインレスで気軽に使える。そのため、1%還元のビックカメラSuicaカードを使えばエコスのハッピーカードと合わせて1.5%還元になる。別に競合店のイオンやセブン&アイのカードを見せても出入り禁止になるということはない。
マックスバリュ系と同じエコスの100円割引券
調べると実はエコスは上場企業で、株主優待も提供している。内容はイオン北海道~マックスバリュ各社と同じ、「1,000円ごとに1枚使える100円割引券」だ。100株保有で半年ごとに30枚もらえるので、例えばイオン北海道だと年間25枚ですぐ使い切ってしまうに比べて、一人暮らしでもちょうどよい枚数といえる。
株主優待以外にも、買物するとたまに同内容の100円引き券をもらえる。使える日が次の日曜など限られているのが面倒だが、それでも10%の割引率は大きい。
Suica決済で0.5%追加還元のイトーヨーカドー
イオン、エコスに比べると株主優待もなく、セブンカード・プラスのクレジットカードもいまいち魅力に乏しいイトーヨーカドー。セブンカードを利用して還元率1.5%なら、手持ちのビックカメラSuicaカードでSuica決済して、Suicaチャージの1.5%還元を受けた方が早い。毎月8のつく日(8日、18日、28日)の5%割引ハッピーデーも、イオンのお客様感謝デーより1日多いくらいであまり使い勝手がよくない。
しかもセブンカードやnanacoと競合するからか、あまり宣伝されていないがSuica決済の場合0.5%のSuicaポイントがつくという特典がある。Suicaポイントクラブの説明では「関東・東北・中部エリアの店舗(一部店舗除く)」と書かれているが、都内のイトーヨーカ―ドーをいくつか利用した限りではすべてポイント加算されていた。
ビューカードのSuicaチャージと合わせるとデフォルトで2%還元。独自のポイントカードや株主優待のカードも持ち歩かずモバイルSuicaのスマホアプリで事足りるので、ミニマリスト的には持ち物を減らせて非常に魅力的である。これでイトーヨーカドーのPB商品が他店舗並みに安ければ文句ないのだが、そうは都合よくいかないようだ。
還元率重視ならイオン>エコス>イトーヨーカドー
還元率の最大化を目指すなら、やはりイオンかエコスの株主優待で理論上最大10%オフの100円引き券を駆使するのが早い。しかし、1,000円の最低額に達するために毎回無駄な買物をしているような気もするし、たくさんあるチケットを束で持ち歩いたりちぎったりするのが面倒くさい。
割引券や複数あるクレジットカード・オーナーズカード・独自ポイントカードをアプリ化して、スマホで一元管理できるようにしてくれれば大変ありがたい。ツタヤ(Tポイント)もゲオ(ポンタ)もすでにアプリに移行してカード不要になっているので、いずれイオンとエコスも対応してくれるとうれしい限りだ。
株に多額投資できるならイオン一択
イオンとエコスのどちらが有利かは、株式への投資額によるだろう。イオン3,000株買えるなら、常時7%のキャッシュバックは最高である。
100円引き券をもらうにはマックスバリュ系の株も買わなければならないが、1社で25~50枚もらえるので、複数銘柄に分散投資すれば1年で使い切れないくらいの枚数を入手できる。その点、エコスは100円引き券が1,000株で100枚、10,000株で200枚と増加するが、いまいち投資額に対する還元率は振るわない。
株もカードも持ちたくないならイトーヨーカドー
株主優待とか面倒なことは抜きにして、余計なカードも持ち歩きたくない人には実はイトーヨーカドーがおすすめだといえる。特にモバイルSuicaと紐づけたビューカードならそれだけで2%還元されるのが魅力的だ。
セブン&アイのPB商品は高いが、きっとその分品質も高いのだろう。イトーヨーカドーで「たれ・からし抜き」の安い納豆や、中国産種子の10円もやしは売っていないが、食材の安全性を気にする人にはもともと関係ない話だろう。
東京都心ならイオン系の「まいばすけっと」が充実しているので迷うことはないが、郊外でスーパーの選択肢が多い場合は悩むところだ。3社を比較してみたが、結局ポイント還元の実利を取るか、手軽さを取るかでケースバイケースだといえる。