ゴールド会員になって5年間通ったリージャスビジネスラウンジの真相

今は亡きシティバンク提携のダイナースクラブカードを無料で入手し、さらに提携特典でリージャスのビジネスワールド・ゴールドカードも無料で入手した。

当時、普通に年会費を払えば税抜57,600円の価値があったこのゴールドカード。国内はもとより、全世界のビジネスラウンジを無料で使い放題ということで、出張の度に機会があればラウンジで作業したり、会議室を借りたり(こちらは有料オプション)、思う存分に使い倒してきた。

その後、ダイナースはシティバンクから三井住友信託銀行に事業譲渡され、年会費無料条件が改悪されるなど不穏な情勢が続いていた矢先、とうとうリージャスとの提携も2016年5月31日をもって終了することがアナウンスされた。

自分にとってダイナースといえば、空港とリージャスのラウンジ利用できるのが魅力だっただけにショックだった。ここ数年、都内にリージャスオフィスが続々増設されて、ノマドワーキングにはますます便利になっていただけに、なおさら残念だ。

提携終了を機に、これまで足しげく通ったリージャスのビジネスラウンジをまとめてみようと思う。場所によっては高層階のVIPラウンジのようだったり、雑居ビルの女中部屋のようだったり、当たり外れが激しい。フリーライダーの自分は排除されてしまったが、ラウンジが使える安価な月額プランも登場したようなので、正規会員や加入検討中の方の参考にしていただければ幸いである。

渋谷マークシティ

まずは渋谷~新宿エリアから。渋谷駅直結のマークシティはオフィス用のエレベータを22階で降りた先。高層階で南側への眺望が開けている。

マークシティだけあって内装も高級感があるが、ラウンジとして利用できるのは入口付近のエリアだけだ。半個室ブースとソファ・テーブルが置いてあり、場所は狭いが一応無料で飲めるコーヒーとお茶は備えつけられている。立地が便利なためか、混雑度は高め。

渋谷グラスシティ

最近新設されたラウンジ。渋谷とは名乗りつつも、道玄坂を上り切って246号と合流した先にあるので、JR渋谷駅からは1kmくらい歩く。

受け付け横に狭いブースがあるだけで、オフィスブースが細かく区切られ圧迫感がある。廊下を進んだ先にカフェコーナーがある。

アクセスが悪く室内も狭いが、ドリンク類の基本装備は充実している。

新宿パークタワー

都庁の横の三連続ビルの30階。新宿駅からは1kmくらい歩くが、郷ひろみが通う高級ジムが入居していてセレブな雰囲気が漂う。中央ビルの最上階にはなんとプールもある。

リージャスがある階は残念ながら普通の事務所という感じだが、眺望は全国一かもしれない。面積は広く、レンタルオフィスの利用者で活気があり、ラウンジも受け付け横の小部屋と飲食スペースの2か所で作業できる。受け付けに電話が頻繁にかかってくるので、ちょと騒々しいかもしれない。

高層階は地上の喧騒を離れて作業に没頭できるのだが、ちょっと食事に出る時とか下に降りるのが面倒だ。余裕がある方はパークハイアット最上階のニューヨークグリルでディナーをどうぞ。

新宿南口やまとビル

新宿駅の南口から近いが、ラウンジ利用者は8階で受付してカードキーをもらい、1階の小部屋に開錠して入るという変則的システムだ。行ったり来たりするのが多少めんどくさい。

1階のラウンジは通りに面しているので、窓側の席で作業していると、やたらと通行人に除き込まれる。このカウンターの高さがちょうどよく、スタンディングスタイルで作業するにはぴったりだ。

逆に外の景色が見えた方が、気が紛れて作業がはかどるという人にはいいかもしれない。ぜひMacBookを広げて、優雅に狭いラウンジで働いている姿を見せつけてほしい。

原宿東武ビル

ラフォーレの交差点から明治通りを少し南に下ったところにある。まわりはおしゃれな洋服屋さんばかりでスーツ姿のおっさんはおよそ場違いだが、デザイナーとかアパレル系の人ならいいかもしれない。

IBMとAppleを合体させたようなThink Podと呼ばれるブースが2つある。

普段は優先的に埋まってしまうのだが、めずらしく空いていたので潜り込んでみた。半分くらい周りと仕切られているだけで、おこもり感があって作業に集中できる。

シンクポッドのブースを確保したいなら、ぜひ早朝からリージャスに出かけよう。リージャスラウンジのフード類は通常有料だが、原宿では飴玉をタダでもらえる。

青山プラースカナダセンター

普段は渋谷~新宿エリアが中心だったが、打ち合わせ先で時間が余ったときはたまに他のラウンジも利用していた。写真はないが、プラースカナダセンターは高級感という意味ではリージャスで一番かもしれない。なんといってもカナダ大使館も入居するデザイナーズビルだ。ラウンジは道路越しに赤坂御用地の緑を臨むロケーションで最高。

赤坂アークヒルズ

六本木通り沿い、谷町ジャンクションがある騒々しいエリアの高層ビル12階。ここは1階の受付でサインしてカードキーを受け取らないとエレベータに乗れないのが面倒だ。そのせいか、わりと空いていてシンクポッドも使い放題だった。隣のANAインターコンチネンタルホテルで展示や会議参加のついでに利用するのが便利かもしれない。

丸の内パシフィックセンチュリープレイス

東京駅にほぼ直結の高級オフィスビル8階。一度だけ有料の会議室を利用したことがある。東京駅が近いので、遠方のお客さんを招いて見栄を張るのに使える。いかにも自社ビルという慣れた感じで案内できれば、一目置かれるだろう。

中野サンプラザ

普段の活動エリア外だが、話のネタに1回寄ってみた。時代を感じさせるサンプラザの9階にあり、駅前広場を見下ろせる眺望はなかなかよい。

聞いたら既存レンタルオフィスの居抜きらしく、空きスペースにとってつけたようなラウンジがある。チープなテーブルセットがところ狭しと並べられていて、他の高級ラウンジとは違う中野っぽい雰囲気が出ている。

ドリンクも自販機だが、セレッシャルのハーブティーが飲めるのはありがたい。リージャスとしてはめずらしいことに、ラウンジ横に喫煙スペースがある。

ランチはぜひ、中野ブロードウェイのシャルマンで100円ナポリタンをテイクアウトしてほしい。書き間違いではない。大層なボリュームのうまいナポリタンがなんと100円だ。

シャルマンは迷路のようなブロードウェイの4階にあり、昼前はまだシャッターが降りた店ばかりで寒々しく、不安に耐えながらここまっでたどり着けるかどうかがまず問題だ。

仙台マークワン

仙台駅の直結の高層ビル19階。デスクは2つだけだが、パーティションで区切られた個室を利用できる。

机を丸ごと使えるので、このくらい荷物を広げて作業してもOKだ。仙台出張の間に連日通っていると、受付のお姉さんがスイーツを差し入れてくれた。地方のリージャスも特徴があっておもしろい。

アクア博多

博多の那珂川に面するガラス張りのビルの5階。福岡出張の際に、急きょ作業スペースが必要になり複数人で会議室を借りた。

出先でレンタルオフィスを探すのは一苦労だが、リージャス会員だとたいていの大都市にはラウンジがあるので助かる。会議室も空いていれば、電話予約の当日飛び入りでも利用できる。見た目に比べて時間単価もそれほど高くないのがうれしいところだ。

夕食は川べりの屋台で長浜ラーメンをどうぞ。

新しいラウンジ会員料金は用途に応じて3種類

月末に行ったパークタワーの受付で、5月でダイナース提携が終わるというは本当かと聞いてみたら、少し確認して「そのようだ」との回答だった。ダイナース提携の無料利用者は意外と少ないのかもしれない。

今後も利用する場合のプランを聞いてみたら、

  • 東京だけなら2,000円台
  • 日本全国なら3,000円台
  • 世界中なら4,000円台

との月額料金をざっくり伺った。

口頭で言われて細かい数字は覚えていないので、正確なところはリージャスに問い合わせてほしい。この5年間で海外出張はあったが、結局リージャスを利用することはなかった。国内出張もそれほど多いわけではないので、自分なら東京会員でいいかもしれない。

そこそこおいしいコーヒーが飲めて、無料のWiFi付き作業スペースを毎日自由に使えるなら、わりとお得な価格設定に思われる。都内に拠点も増えてきたので、日ごとにローテーションすれば気分転換できるので、ノマドワーカーにはおすすめだ。

バーチャルオフィスを借りれば高級感を演出できる

専用のレンタルオフィスを借りるとなると高価だが、渋谷のグラスシティあたりなら2万円台からバーチャルオフィスを利用できた。8年前に問い合わせた金額なので値上がりしているかもしれないが、都心で名の通ったビルに登記できるのだから悪くないサービスだ。

会社を始めた頃はさすがに余裕がなくて5,000円くらいのバーチャルオフィスを契約したが、いろいろ物件を調べたおかげで都内のバーチャルオフィス住所には詳しくなった。

たまに名刺を受け取って、明らかに一人会社なのにプラースカナダセンターとか住所が書いてあると「リージャスのバーチャルオフィスだな」と気づくことがある。それなりの費用を払っているはずだが、見栄っ張りなのか、ブランディングに対する正しい投資なのかはわからない。

普段はラウンジで作業できるし、来客のときは有料の会議室を借りて対応できるはずだから、少しグレードアップしてリージャスで仮想オフィスを借りてみるのもありかもしれない。バーチャルとばれたらばれたで、話のネタになっていいだろう。