ラッシュの石鹸で頭も洗えるのか?添加物少な目のボヘミアンで実験

ミニマリストになってからシャンプー・リンスとバスタオルは使わなくなった。石鹸で体も頭も洗って、手ぬぐいで体も拭いて一丁上がりだ。坊主頭になってからますます便利になったが、さすがに石鹸だけだと髪がきしむので、床屋に行く前はリンスも使っている。

最近は手洗い用のハンドソープも固形石鹸で兼用するようになった。「殺菌効果」をうたっていない石鹸でも、念入りに洗えば95%の除菌はできるといわれている。油を使う料理もしないので、食器洗いも洗剤要らず。身の回りの用事は1個の無添加石鹸で済むようになった。

無添加石鹸は地味で飽きる

石鹸も少しはいいものを使おうと思ってミヨシの無添加を愛用してきた。スーパーやドラッグストアに在庫がないときは他社製品も使うが、無添加ならたいした違いはないだろう。

普通の石鹸より洗浄能力が劣ったりカスが多く出るということはないが、無添加石鹸の香りは素っ気ない。洗っている最中に臭いを嗅いでみると、まさに油脂というか獣のような臭いがする。風呂上りも引きずるほどの香りではないが、入浴中はまったく楽しみがない。

ラッシュ製品は無添加でない

ラッシュの製品は何となく天然素材で体によさそうなイメージだが、実際はどうなのだろう。事前に調べてみたところ、香料や着色料は普通に使われている。昔好きだったシーベジタブルには、ステアリン酸Na、ラウリル硫酸Naのほか、香料と青1・黄4とてんこ盛りだ。最低限の安全性は確保されているだろうが、長年無添加で通してきた身からすると、ちょっと怖い。

石鹸を切らしたときはスーパーの最安、3個100円のような石鹸を使うこともある。体内に入れるわけではないので、無添加ワインのようにそこまで気をつかわなくてもよい種類の製品かもしれない。

とりあえずラッシュのラインナップで、高価なグルメソープでなく原材料がシンプルなのは、ボヘミアンやみつばちマーチなど。スノータフィー、ママレードあたりも比較的ましだがやや高くなる。ミルキーバーは豆乳ベースでシンプルだが、香りがほとんどしないのでせっかくラッシュで買う意味がない。

添加物が少ないのは限られる

購入候補を調べた上で店頭に向かってみた。店員さんに「体と一緒に頭も洗えるやつ…」と聞いてみると「はぁ?」という感じの対応だった。こうやって世間の常識とのずれをたまに確認することができる。

スタッフによると「シャンプーは別コーナーにあるので、そちらを買ってください」という案内だった。しかしシャンプー用はリキッドもバーもグラム当たりソープの2倍以上する。

それでは「添加物がなるべく少ないのは?」と聞くと、事前に目星をつけた通り、みつばちマーチとボヘミアンをすすめられた。他のも香りを嗅いでみると、アウトバックメイトやサンドストーンはすっきりしたユーカリ・柑橘系で好みに思われた。ロックスターやみつばちマーチも売れ筋だが、甘ったるくてべとつく気がする。

市販石鹸の15倍高い

候補の中からボヘミアンを選んで、石鹸箱に収まる100g程度の薄切りで注文してみた。100gあたり税込550円と、ラッシュの中では最安だが、ミヨシの無添加石鹸を5個は買える値段だ。トップバリュの最安石鹸に比べると、単価は実に15倍。ラッシュの製品は高いと改めて思い知った。

近所に店舗がなければ、アマゾンでも購入できる。この場合なぜか単価が2倍に跳ね上がってしまうので、ラッシュの公式サイトを利用した方がまだましだ。イケアのように実店舗と他社マーケットで差を設けているようだ。

ちなみに受注生産のホールサイズで注文すると、3,200gで17,600円。計算してみると、100gで買うのと単価は変わらない。あくまで強気のラッシュだが、世の中にはホールソープを買って切り出しながら使っているセレブもいるだろう。

プレゼントに喜ばれる

高いといっても2万円はしないので、高級ワインをプレゼントする代わりにラッシュの石鹸丸ごと渡すというのもおもしろい。無添加縛りだとNGだが、ラッシュをもらって嫌がる女性も少ないだろう。ケーキと思いきや、延べ棒のような石鹸の塊は馬鹿っぽくて受けること間違いなしだ。

男性向けには「パパの足」という必殺の消臭パウダーがある。一度気を利かせて父の日に親父に渡してみたが、慣れない習慣なのかまったく使われている痕跡がなかった。

知り合いにはいまだにMDプレーヤーを愛用している人がいて、iPodをあげても使ってもらえなかった。「プレゼントは相手が喜ぶ(使いこなせる)ものを」という原則には、大人になってやっと気づいた。

その点、風呂桶に投げ込むだけのバスボムは潰しが利きそうだ。自腹で買うにはもったいない価格だが、贈り物なら盛大に使っても悪い気はしない。実際のところ、ラッシュの売れ先は半分くらいお土産かプレゼント用ではなかろうか。

ボヘミアンは万人受けする柑橘系

我が家にやって来たボヘミアン。置いておくだけで包装紙越しにも、レモンとライムの爽やかな香りが漂ってくる。

香水でいうと、ゲランのアクア・アレゴリア・レモン・フレスカ。男性用ならペンハリガンのクァーカスといった感じ。嫌みがなく万人受けするタイプだ。他にもミラー・ハリスのシトロンとか、混じりけのない「レモンそのもの」というスカッとした香りが好みに合う。

しかし、上記ブランド品はときどき新宿の伊勢丹メンズに寄っては試してみるくらい。お金がないオッサンは、結局4711ポーチュガルあたりで妥協することになる。

そろそろ加齢臭が気になる年頃、お金を惜しまずラッシュで素肌のお手入れすべきだろうか。無添加石鹸は身体によさそうだが、ときどき獣脂のような悪臭を振りまいているのではないかと心配になる。

植物成分のため泡立ちは悪い

122gで671円もしたが、クナイプのちょっといい入浴剤を入れると思えば、地肌に直接使う分、ありがたみを実感できる。100gを超えるとスーパーのバスサイズ石鹸よりやや大きい。通常サイズの石鹸箱に無理やり押し込めば入るくらいのサイズだ。

久々にラッシュの石鹸を使ってみてまず感じたのは、他社製品より泡立ちが悪い。安物でも無添加でもタオルにこすると泡は盛大に立つが、なぜかラッシュの石鹸は強くこすっても泡立ってこない。

通常の石鹸成分以外に、レモンの皮や油分が練り込まれているからだろうか。つぶつぶ入りのオレンジジュースのように、石鹸の内部には固形分が見えるくらい含まれている。

頭を洗ってもごわごわしない

泡立ちは悪いが、石鹸としては普通に使えて汚れも落ちている気がする。風邪気味で鼻が詰まっていたので期待の香りはそこまで感じられなかったが、顔に近づけるとしっかりレモンの香りがする。香水と同じで、始終同じ香りを嗅いでいると感覚が鈍くなってくるのかもしれない。最後の方はほとんど何も感じなくなった。

洗い上がりは、やや皮膚がしっとり保湿されている感じがする。頭を洗ってリンスなしで仕上げてみたが、普通の石鹸よりごわごわしない。ラッシュの石鹸で頭を洗うのは、特に問題ないようだ。

石鹸カスはそれなりに出る

坊主頭だが、湯上りに頭皮が湿っているのは気持ち悪いので、いつもドライヤーで乾かしている。こまめに乾燥させて方が頭皮にもよく、禿げないらしい。

髪の毛にかき入れた手に石鹸カスがこびりついて、その後、顔に保湿ローションを塗る際、ふけのようにびっしり付く。これは石鹸で頭を洗うと毎回出てくる怪奇現象で、最初は顔から垢が出ているのかと思った。

しょせんは石鹸カスなので、乾燥してから振り払えば害はない。ラッシュを使って頭髪から出てくるカスの量は、普通の石鹸と同じくらいだった。

ルーフフレグランスを兼ねる

「泡立ち」という石鹸の基本性能は犠牲になるが、各種の植物性オイル入りで、身体も頭皮もしっとり仕上がるようだ。同じ香りに慣れてしまわないように、普通の石鹸や他のラッシュソープをローテーションしながら使うのが賢いともいえる。

入浴中や部屋の中で石鹸がほのかに香るのはラッシュの売りなので、ルームフレグランスも兼ねると思えば数倍の価格にも納得できるかもしれない。とりあえずボヘミアンが何日くらい持つか試してみて、財布に余裕があれば他の種類も試してみたいと思う。

1ヶ月使い続けた感想

1か月ほど経ってラッシュのボヘミアンは使い切った。香りは期待通りだったといえるが、実用上は泡立ちが悪いのが致命的な欠点に感じた。

どれだけごしごしタオルにこすっても泡が立たず、常に湿布摩擦しているような使い心地である。頭を洗っても汚れが取れている実感がわかない。泡は立たなくても石鹸としての性能は変わらないかもしれないが、体をこすっても滑りが悪いので使いにくい。

値段の面を考えても、ラッシュの石鹸を買うよりは同じ予算でアロマオイルでも買って、風呂桶に数滴垂らして楽しむ方がリーズナブルといえる。あるいは普通の石鹸で洗ってから余興としてラッシュを楽しむあか…

ボヘミアン以外の種類も気になるが、当面ラッシュの石鹸は買わないと思う。イトーヨーカドーでいつものミヨシ無添加石鹸を、3個入り409円で買ってきた。イオンの100円石鹸よりは高級だが、石鹸はこのくらいで十分である。