30記事・6万字のブログでもAdSenseの審査に受からなかった理由

1か月ほど試行錯誤して、ようやくGoogleのAdSense登録審査をパスすることができた。

ネット上ではAdSenseの審査条件について、さまざまな都市伝説がささやかれている。審査基準も頻繁に変わるので、「これで絶対通る」というテクニックは存在しない。2016年5月15日現在の基準で「結果的に受かった」という方法を紹介したい。

AdSenseに7回申請してダメだった

最初はWordPressで適当に記事5つ、それぞれ1,000字程度の文章量、画像もたくさん埋め込んだ状態でアプライしたが、あっさりリジェクトされた。

承認されなかった理由は、Googleから届いたメールによると「不十分なコンテンツ」。以下のようなヒントが列挙されていた。

AdSense の承認を得てサイトに関連性の高い広告を掲載していただくには、AdSense の担当者による審査とクローラによる解析でページの内容を判断できるだけのテキストがページに含まれている必要があります。この問題を解決するには、次のヒントをお試しください。

  • ページで十分なテキストを使用してください。画像や動画、Flash アニメーションがほとんどを占めるウェブサイトは承認されません。
  • コンテンツには、タイトルだけでなく、意味のある文章や段落が含まれている必要があります。
  • ウェブサイトは、AdSense にお申し込みいただく前に作成を終え、公開した状態にしておいてください。サイトがベータ版や「作成中」である場合や、テンプレートの要素しかない場合は、お申し込みにならないでください。
  • 広告コードは、ウェブサイトの有効なページに配置してください。メインページでなくても構いませんが、AdSense 広告コード以外に何もないテストページは承認されません。
  • ユーザーがウェブサイトのすべてのセクションやページを簡単に見つけられるよう、わかりやすいナビゲーションを提供してください。
  • YouTube 動画を収益受け取りの対象にしたい場合は、YouTube 収益受け取りプログラムにお申し込みください。動画のみのブログやウェブサイトは承認されません。

素直に読めば、単純にコンテンツのボリュームが足りなかったと思われる。

それ以降は1日に1記事追加のペースで更新し、平均2,000字程度の文章量、画像も小さ目・少な目にして1か月続けてみた。30記事以上のページができたので、これなら十分だろうと自信をもって再申請してみた。しかし前回と同じ「不十分なコンテンツ」を理由に落とされた。

ウェブサイト内容の見直し

ネットでは5記事や10記事でも受かったという話が出ているので、おそらく記事数・文章量の問題ではない。それ以外に、何かGoogleの審査基準に抵触する部分があったのだろうか。以下の点を修正しながら、6回ほどAdSenseの再申請を試みてみた。

  • 画像をすべて削除(旅行記のような内容で写真がまったくないと逆に不自然だが、ひとまず外してみた)
  • ナビゲーションを充実させるため、グローバルメニューやパンくずリスト、サイドバーのカレンダーなど設置
  • 他サイトへのリンクや広告はすべて削除(Amazonアソシエイトも)
  • AdSenseのポリシーに抵触しそうなテキスト(お酒や薬、下ネタなど)を外す

とにかく記事数を増やそうと思って1か月も書き続けたのが間違いだった気がする。記事内にポリシー違反の表現がまぎれていないか、探して修正するのに苦労した。

結果的には「不十分なコンテンツ」ですべて不承認。さすがに記事以外の部分に原因があるのではないかと思い始めた。

審査の流れとログイン方法を見直し

審査の流れについては、AdSenseヘルプの「お申し込み方法」によると、申し込んですぐに広告ユニットを生成し、サイトに埋め込んで審査を待つ…との記載がある。

1次審査→2次審査のルールが変わったのだろうか。すると「広告を設置していないので、いつまでたっても審査が進まない」状態とも推測される。これがコンテンツ不十分の理由なのだろうか。

しかし、申し込み後にAdSenseにログインしても、以下のメッセージ表示されるだけで、広告ユニットは生成できない。

無効なアカウントです

お客様にお申し込みいただいた内容は現在審査中であるため、このログイン情報を持つ AdSense アカウントは存在しません。審査はお申し込み日から 1 週間以内に終了し、結果は電子メールでお知らせします。AdSense への参加が承認されましたら、現在のアカウントでログインしてプログラムをご利用いただけるようになります。

何かログイン方法に問題がありそうな気がしてトラブルシューティングを参照すると、

google.co.jp/adsense にアクセスし、次の手順に従ってください。1. Google アカウントからログアウトする。2. ブラウザのキャッシュをクリアする。3. Cookie と SSL 2.0 を有効にする。

すべて試したが、変化は見られなかった。

SSL2.0は脆弱性が発見されたため、IEではデフォルトオフで、Firefoxではそもそも有効化できなくなっている。このあたりが怪しいとにらんだが、結局「無効なアカウント」と表示され、それ以上先に進めなかった。

その後、IEでMUFGの法人向けインターネットバンキングにログインしようとしたら、「ページが見つからない」状態になっていた。原因を調べたところ、最近SSL3.0も脆弱性が見つかって通信が無効化されていたらしい。結局オプションでSSL2.0と3.0を両方オフにする必要があった。

AdSense関連の最新書籍も読んでみたが、審査に関してはGoogleの公式サイトに載っている情報と同じだった。

AdSenseの審査方法に関しては、結局のところGoogle以外に頼れる情報源がない。

AdSenseヘルプフォーラムで原因を探る

Googleの公式文書をひたすら調べてみたところ、AdSenseのヘルプフォーラムに有益な情報があった。

「不十分なコンテンツ」という自分と同じ理由で何度か落とされたユーザーが、「このサイトのどこが悪いのだ!?」と質問しているスレッドがいくつかある。それに対して関係者が「このへんのページが十分でない」など、結構具体的な回答を行っている。

「画像を使っていると審査に通らない」というのは嘘で、「コンテンツ性のある画像なら構わない」というコメントもあった。細かい点だが、「はてなブログで自動生成されているプロフィールページが物足りない」と指摘されていたりもした。

別サイトで申請したら、あっさり受かった

もしかすると、自分のGoogleアカウントや申請サイト自体が、「申し込みの回数が多すぎる」などの理由で、ブラックリストに載ってしまったのだろうか。

試しに別のGoogleアカウントで、別のサイトを対象に申請してみたところ、あっさり受かって「AdSenseへようこそ」というメールが届いた。

お申し込み内容の審査が無事に完了しました。あとは最初の広告ユニットを作成し、生成された広告コードを○○に挿入すれば、アカウントの有効化手続きが完了します…

これが1次審査を通過したということらしい。やはり1次、2次の審査ルールは変わっていなかったようだ。

やっとAdSenseにログインできるようになって、適当な広告ユニットを生成してウェブサイトに配置、待つこと2日くらいで、「おめでとうございます!」という有効化完了を知らせるメールが届いて、ウェブサイト上に広告も表示されるようになった。

自分なりに考えるAdSense審査の基準(仮説)

何度申請しても通らなかったサイト(Aとする)は、WordPressベースで30記事、合計6万字ほど書いたブログだった。一方、一発で受かったサイト(Bとする)は、何年も前につくったプロフィール的なサイトで、ページはたったの2枚。文字数は合わせて8,000字にすぎず、画像も多く使っていた。

単純なコンテンツの量で見ると、Aのブログサイトの方が圧倒的に多い。しかし審査に受かったのは素っ気ないBのサイト。ここから推測される審査基準は以下の通りだ。

  1. ドメインエイジがものをいう
    A/Bとも独自ドメインだが、Aは1か月に取得、Bは11年以上運用していた。
  2. 被リンク数がちょっと効くかも
    A/Bともページランクは0だが、Aは被リンク0、Bは1件あった。

ほかにも原因はあるかもしれないが、思い当たる違いとしてはこの程度だ。

もしブログでなくても他に長い期間運用しているウェブサイトがあれば、そちらでAdSense申請した方が早いかもしれない。内容の薄いBサイトでも、2次審査まで問題なく通過した。AdSenseの審査用サイトは、ブログ形式でなくてもよいらしい。

.htaccessが原因だった可能性

その後、問題のサイトで「トップページだけいつまでたってもGoogleにインデックス登録されない」というトラブルが起こり、調べたところ.htaccessファイルの記述ミスが原因だった。

もしかするとAdSenseに受からなかったのも、単にクローラーが巡回できなかっただけかもしれない。確かにGoogleから届いた審査不承認のメールにも「AdSense の担当者による審査とクローラによる解析で…」とあるので、クローラーが通らなかったら減点なのは間違いなさそうだ。

もしそうだとすると、AdSenseの審査に落ち続けている人は、むやみに文章を増やしたり画像を削除したり、サイトの中身をいじる前に、まずはSearch Consoleに登録してみた方がよい。クロール関係のエラーが出ていたり、Fetch as Googleがエラーで通らなかったら要注意だ。