アマゾンで予約注文していた、ジャパンネクストの28インチ4Kディスプレイが届いた。
聞きなれないメーカーで妙に安すぎる価格…
発売前、どこにも使用後レビューが出ていない状態で、まさに「人柱募集中」の先行モニター価格39,999円。不安は募るばかりだが、スペックや他製品のレビューを見る限りは問題なさそうなので、思い切って注文してみた。
その後、アマゾンでは41,470円で売られているので、実質1,500円程度安く入手できただけだった。
画質に不満なし、基本性能はまずまず
早速設置してDisplayPortから推奨解像度の3840×2160で映像入力してみる。液晶のドット抜けは見られず、発色・コントラストもわりとよい。特に感動するというほどではないが、価格なりによくできているという印象だ。
横から斜めに見ても結構画面は認識できるので「視野角170°/160°」のスペックは嘘ではなさそう。45°以上の角度で見込むと、明らかに画面が黄色く変色して見えるが、これはTNパネルの特性と考えるしかなさそうだ。
自分はスタンディングスタイルで作業しているので、モニタをエルゴトロンのLXデスクマウントアーム(ロングポール)で支えている。JN-T280UHDのVESA規格対応は問題なく、4本のネジでしっかり固定できた。
ただ、さすがにディスプレイが28型だと重くて垂れ下がってくるので、サブデスクの上にモニタ本体を載せて加重を分散させている。
しばらく使っていると、画面上の文字がところどころにじんでいて、普通の文字が青色のリンクに見えたりする現象に気がついた。モニタに目を寄せて見なければわからない程度なので、通常の作業姿勢で画面から60cmくらい離れて見ていれば、気にならないかもしれない。
また、ChromeやAcrobatなど特定のソフト上でマウスカーソルが透明になる不具合が見つかったが、これはグラフィックボード(GeForce GTX 780 Ti)のドライバを最新版(Ver.365.19)にアップデートしたら解決した。
附属のHDMIケーブルが2.0対応でないので注意
せっかくHDMI2.0対応なので、そちらの入力も試してみようとしたところ、どうやっても映像が出なかった。ディスプレイ背面の入力端子で、HDMI1.4の方に差すと問題なく表示された。ただこれだとリフレッシュレートが30Hzまでしか出せない。
いろいろ組み合わせを試して原因を探ったところ、どうやら付属のHDMIケーブルが2.0規格に対応していないようだ。はた目には違いがわからないが、手持ちのHDMI2.0対応ハイグレードケーブルに交換したところ、あっさり60Hzで表示された。
これが問題の同梱ケーブル。ウェブサイトや説明書ではケーブルのスペックは「HDMI」とか書かれていないので、注意が必要だ。
DELL UP2414Qと比べて最適な画素ピッチ
それまではDellの23.8型4Kディスプレイ、UP2414Qを2年間使っていた。当時は「10万円を切る4Kモニタ」という売り込みで話題になった機種だが、HDMI2.0は非対応、購入後の設定でDisplayPort1.2を有効化しないと60Hzで出せないという代物であった。
IPSパネルで性能は悪くなく、DTPと映像編集が中心の自分は大いに4K解像度の恩恵にあずかったのだが、23.8型だと少々文字が小さすぎる気がした。Windowsやブラウザ画面はディスプレイ設定で文字を拡大できるのだが、Adobe系ソフトや3dsMaxではUI部分に拡大が効かず、ツールやレイヤーを選択しにくいという問題があった。
「小さい画面に高い解像度」というのにロマンを感じて、これまでDELLのXPSやイイヤマ・パソコン工房の製品など、13インチ相当の画面にQHD+(3200×1800)解像度を詰め込んだ、画素ピッチ276ppi相当のノートPCも使い込んできた。しかし、ウェブサイトを見ていても、時々文字が小さすぎて拡大しないと読めなかったり、作業内容によっては不便さがあるのは否めなかった。
通常使用にはJN-T280UHDのように、28型で4K、157ppi程度の画素ピッチが最適なのかもしれない。また、HDMI2.0で入力できるので、同じケーブルでモニタ側のスピーカーから音声出力できたり、便利な点もある。
モニタを23.8型から28型に変えたので、デスク上で一回り画面が大きくなった圧迫感はあるが、画面端のウィンドウは、ちょっと体をずらせば正対して見やすくなる。これはスタンディングスタイルで作業しているメリットだ。
4Kディスプレイを手軽に試すにはおすすめ
TNパネルで文字のにじみも若干気になるが、4Kディスプレイで5万円を切る圧倒的な低価格。
モニタの買い替えを検討していて、ちょっと4Kを試してみたいという方には、魅力的な選択肢だろう。