BizSparkでマイクロソフトOfficeを3年以上、無料で使い倒す

ソフトウェア開発を主な事業としているスタートアップの法人・個人事業主向けに、マイクロソフトの開発環境を3年間無料で使える、Microsoft BizSparkという支援プログラムがある。Visual StudioやAzureのクラウド環境を無償で利用できるというのが売りなのだが、実はWindowsのOSやOfficeもタダでダウンロードできるという、あまり知られていないメリットがある。エディションはすべてUltimateレベルまでOK。日本語だけでなく英語版も提供されるという太っ腹なサービスだ。

申請条件として、オフィスでの事務作業オンリーはNGなのだが、ソフトの設計・開発に関わる文書作成などにOfficeのWordやExcelを使うのは問題ないようだ。実際にはプログラミングだけでなく、開発やデモの一環でワードやパワーポイントを使う機会も多いだろう。

BizSpark終了後のソフトウェアの利用について

3年経ってプログラムが終了した後はどうなるかという話だが、新規のソフトダウンロードはできなくなるものの、それまでに落としたものは契約の範囲内で使い続けることができる。「お試し版は無料で使えるが、期限が切れたら有償版を買ってください」というよくあるトライアルサービスとは違うのも大きな利点だ。
OfficeやVisual Studioは数年おきにバージョンアップがあるが、実用上は多少古くても問題なく使えるので、BizSparkは3年どころかその倍以上の期間、マイクロソフトのソフトウェアをフル活用できるサービスだと思う。

インストール数に「累計20名」の制約あり

ダウンロードしたソフトウェアは、新規購入したPCにインストールして、初回起動時に特定のプロダクトキーを入力すれば、自由に利用できる。あまりに便利なので、スタッフが増えるごとに次々とマシンに入れていたのだが、インストール時にエラーメッセージが出て、とうとうライセンス数の上限に達したことがわかった。ウェブサイトの説明によると「開発者ライセンスは累計20名まで」との制約があったようだ。

インストール済みのPCでライセンス認証を解除して、別のPCに移行できないかと考えたが、どうもソフト上ではライセンス解除的なメニューが見つからない。BizSparkのサポート窓口に問い合わせたところ、現在の状態ではすでにインストールした端末から認証解除することはできず、別途ソフトウェアを購入するしかないとの回答だった。

いよいよMicrosoft Officeを購入する時が…

さすがに長い期間、無料で使わせていただいたので、いよいよマイクロソフトのサポートから卒業して独り立ちする時期かと悟った。
とりあえずワードやエクセルを使いたいので、オフィスのパッケージ版購入を検討した。スタッフ数名の小事務所の場合は、ボリュームライセンスを買うほどではないようだ。

基本のWordとExcelに加えて、PowerPointも使いたいので、Personal版でなくHome and Business版を選択。今やGmailに押されて使用率も低いと思われるOutolookや、いまだ使ったことがないOneNoteも入っているが、まあよしとする。現時点で最新のOffice 2016よりOffice 2013の方が若干安く販売されているようだが、「Windows10にアップグレードするとライセンス認証されなくなる」というトラブルが報告されているようなので、特にこだわりがなければ2016版を選んだ方が賢明だろう。

ちなみに代替製品のKINGSOFT Officeが1/10くらいの価格で売られていて、以前使ったときは若干のインタフェースの違いにとまどうものの、機能的にはまったく遜色なく利用できた。社外とのデータのやり取りなどで、少しでも不安を減らしたいなら、マイクロソフトのオフィス純正品を購入すべきだが、個人用途で安く済ませたいならキングソフトのオフィスもありだと思う。

起業したての方はぜひ検討すべきBizSpark

すでに起業してアプリやウェブサービスを開発しているベンチャーや、フリーランスで独立検討中の方には絶好のチャンスだ。3年以上にわたってウィンドウズのOSやOffice、Visual Studioなどの開発環境を無償で提供してもらえるマイクロソフトのビズスパークは、起業後に真っ先に申し込み検討すべきサービスだと思う。うまく使いこなせば数十万円単位のコストカットになり、ちょっとした節税対策なんかに頭を使うよりは、よほど効率がいい。
自分も会社で過去3年間、大変お世話になったので、申請条件に該当する方には、ぜひおすすめしたいプログラムだ。