バトルフィールド3。2011年発売のファーストパーソン・シューターだが、5年振りに立ち上げたら、思わず数日はまってしまった。
これまでの人生で一番長く遊んだゲーム
総プレイ時間327時間、ランク66、大佐サービススター21。
名誉なのか不名誉なのかわからない、プレイ100時間ごとにもらえる「アメリカ海兵功労メダル」と「ロシア陸軍功労メダル」を1つずつ授与された。このまま400時間に達したら、さらに追加されると思う。ゲームの中では、金色に輝く大佐100の鷲マークをよく見るので、自分はまだまだ弱輩だと思う。
子供の頃、FF4からプレイ時間が表示されるようになったが、相当やりこんでも50時間くらいが限度だった気がする。ファミコン版ウィザードリィやMOTHER、ゲームボーイ版魔界塔士SaGaは何度もプレイしたが、さすがにそれぞれ100時間は超えていないと思う。間違いなくBF3は今までの人生で一番やり込んだゲームだ。
アクセサリーをアンロックしてゴルゴ13愛用のM16を再現するなど、やり込み要素も豊富だ。
BF3のOperation Metroマップは傑作
BF3のデフォルト9マップはどれも個性的だが、やはりメトロが一番人気だと感じる。Seine CrossingやGrand Bazaarの市街戦もおもしろいが、地下鉄構内から地上のアパートまで立体的に展開するメトロのレベルデザインは秀逸だ。
マップの構造上、どうしても接近戦になるので、自分のように下手なプレーヤーでも活躍できる場面が増える。逆に広すぎるフィールドだと、拠点から前線に走って数分、見えない敵に秒殺されてはまた戦場に駆けつけるという退屈なルーチンになってしまう。戦車や戦闘機の乗り物系もからっきしダメなので、広いマップでは全く役に立てない。
接近戦に特化した拡張パックのClose Quartersを購入してみたが、自由度が高すぎて形勢が変わりやすく、自分の場合はある程度膠着ポイントが決まっているメトロの方が立ち回りやすいと感じた。
PCの64人対応サーバで最大32 vs 32人の対戦になると、序盤はたいてい3か所ある階段を挟んだにらみ合いになる。こうなると手榴弾やM320の爆破合戦、RPG/SMAWのロケットランチャー応戦になるが、狭い地下鉄構内、至近距離でロケット弾が飛び交うというシチュエーションはなかなか見ものだ。
BF3メトロ援護兵必勝法
メトロのコンクエストで均衡が崩れて、敵味方入り乱れての乱戦になるときが一番おもしろい。自分は300時間もプレイしておきながら、突撃兵で前線に向かうと待ち伏せしていても撃ち負けるくらい下手くそで、狙撃兵でもたいていヘッドショットで即死させられる。
いろいろ試した結果、マップと戦略を徹底的に把握した上で、援護兵のライトマシンガンで敵が現われそうなところにひたすら弾丸を打ち込むのが、勝てるパターンだとわかってきた。唯一この方法ならキル/デス比が1を超えることもある。
弾薬箱を脇に、バイポッド展開したペチェネグ先生で愛の弾丸を注ぎ込むと、死体の山が築かれる。地下鉄内の主要通路や攻略ポイントでは、たとえ煙幕で視界を遮られても、長年の訓練で正確に敵の居所に弾丸を運ぶことができるようになった。援護兵の役割としては正しいと思うが、味方の背後から制圧射撃で弾幕を張る。敵を直接仕留められなくても、サプレッション効果でチームに貢献することはできる。
爆発物OKのサーバであれば、籠城前にアパートの入り口とか狭い通路にM18クレイモアを設置しておくとよい。裏をかこうと回り込んだ敵兵の爆死を見届けるのは快感だ(逆だと非常に悔しい)。単調な待ち伏せプレイに飽きたら、敵のたまりそうなところにC4爆薬を仕掛けておいて遠隔爆破するとか、メトロでは使いどころは少ないが迫撃砲で狙い撃ちするのも楽しい。そういう卑怯な小道具を使いこなせる援護兵(Support)は、自分の天職だと感じる。
愛用のPKPペチェネグ「先生」
ゲームを始めた最初の頃は、SAIGA 12Kのショットガンで敵陣に突入する肉弾戦を得意としていた。膠着したメトロの階段を駆け上がり、芋になっている敵に散弾を浴びせて相討ちするという、行儀の悪いことばかりやっていた。
最近は、突撃兵のG3ライフルで中距離から指切りしながら狙撃できるようにもなってきたが、やはり装弾数が多いLMGの方が、読みが当たった時に連続キルできて爽快感を味わえる。何も考えず、物陰の特等席からPKP Pechenegを乱れ撃ちするのが、自分なりのストレス解消法だ。明け方、人も減ってサーバが過疎ってきたら、ナイフ縛りでマップを駆け回りながら、背後からザクザク切り付けることもある。
各武器のパラメータ変更によるゲームバランスの調整がたまに行われるが、Pechenegはバイポッド適用時の反動が少なく、他のLMGよりリロードも若干早くて扱いやすいと感じる。無味乾燥なM240B、M60E4より「ペチェネグ」という愛称の響きがよい。正式名は「Pulemyot Kalashnikova Pecheneg」で、語源はかつてモンゴル高原で活動したトルコ系遊牧民、突厥(とっけつ)テュルク系のペチェネグ族で、「義兄弟」を意味するらしい。
なぜかネット上ではペチェネグ先生と呼ばれることが多いが、低発射レートながら高威力と抜群の装弾数を誇り、5発ほどでじわじわと緩慢になぶり殺される様子からついたあだ名だろう。ラストサムライや新撰組の映画で、最後に新兵器のガトリング砲が登場し、侍たちが為す術なくなぎ倒されていく、あの絶望的な感じだ。
ゲーミングマウスSteelSeriesの最上級機種も「センセイ」と名付けられており、FPS界で最高のリスペクトを表す称号とされている。
BFExeFixパッチ適用のコツ
ちなみにWindows8.1でBF3を起動すると、Direct Xのエラーでうまくいかないときがある。システムロケールを英語に変更すれば回避できるが、文字化けしまくって仕事にならず、設定変更の度に再起動が必要なので、ちまたに出回っているBFExeFix.exeというパッチをあてる方がベターだろう。
注意点としてデフォルトと違う場所にBF3をインストールしていると自動検出がうまくいかず、File Pathに右のボタンから選ぼうとしてもツールが落ちてしまう。その場合は、File Pathにインストール先のパステキストを直接コピペするとうまくいった。
FPSプレイ歴
ファーストパーソン・シューティングは2005年にCall of Duty 2とQuake4にはまって以来、あまりの中毒性に危険を感じて封印したのだが、5年おきくらいに彗星のようにやってくるゲーム熱に浮かされ、やり始めると土日はほぼ潰れることになる。平日も「寝る前にちょっとだけ」と思って始めると、次の瞬間、夜が白み始めていたなんてことは何度もある。
2016年初頭に再びマイブームがやってきたのだが、Originの「1週間無料キャンペーン」でBF4のシングルプレイをクリアしたら、あとはBF3の慣れたフィールでマルチプレイを数日遊んで満足した。さいわい5年経ってもサーバが健在で、平日も夜中になれば歴戦の猛者が戦場に集ってくる。さすがにみんなやり込みすぎていて、数年もブランクがあるとマップに出たとたん瞬殺されるが、かつて300時間過ごした、おなじみのメトロ地下鉄駅に下りると、我が家に戻ってきたような懐かしさを覚える。
DOOMとQUAKEの微妙な違い
最近DOOMの最新版が発売されて期待したのだが、プレイ動画を見るとグロすぎてついていけなかった。初代DOOMはデモ版でエピソード1はクリアしたが、前作Doom3はお化け屋敷のようなびっくりどっきりのシナリオで、生首(ロストソウル)が火を噴いて飛んで来たり、怖すぎてプレイを続けられなかった。
その点、なぜかQuake4の敵キャラは、二瓶勉の『BLAME!』に登場する珪素生物やセーフガードとそっくりな外観で妙に親近感があり、楽しんでクリアすることができた。
どちらも「ゾンビと兵器と合体したような殺戮マシーンと、ハイテク装備で進化した未来の海兵隊が戦う」という設定なのだが、Quakeは仲間や主人公が敵に捕らわれ改造される(そして強くなる)という、ブラックだが笑えるエピソードがあったりする。
しかしDOOMのモンスターは、本当に地獄からやってきた異形のクリーチャーというか、なにかシャレにならない恐ろしさを感じる。ヒエロニムス・ボッシュの絵画を彷彿させる、人間の想像力の限界に挑んだ、触れてはいけないタブーという印象だ。
Call of Duty2のグラフィックに感激
COD2で初めてミリタリーものをやってみたのだが、このあとに映画の『プライベート・ライアン』を観て、ノルマンディー上陸シーンの元ネタだと気付いた。
映画 『All You Need Is Kill』でも、まるっきり似たような上陸シーンが出てくるが、これはFPSというゲームジャンルのパロディーで、COD2が引用元と思われる。
COD2はシングルプレイしかやらなかったが、当時最先端の3Dグラフィックのきれいさには驚いた。ゲームエンジンとグラボの処理能力も進化して、BF3まで来ると、本当にそこに住んでいるというような錯覚すら覚える。Caspian BorderとかOperation Firestormのマップでは、もう戦うのはやめて草原でピクニックでもしたい気分になる。
まあ、寝そべって風景をながめていると、突然背後から射殺されるかナイフで首を掻っ切られて現実に戻されるというわけだが…。誰もいない荒野をジープでドライブしている方がまだ安全だ。
FPSは「お金がかからない趣味」か?
仕事用と兼用するとかで、そこそこのスペックのPCを確保できれば、あとはわずか2千円程度の投資で長時間遊べるFPSは意外とリーズナブルな趣味かもしれない。数百時間プレイすれば、電気代を差し引いても1時間あたり10円以下のコストで済むはずだ。Origin やSteamのゲーム通販サイトは頻繁にセールをやっているので、数年前のちょっと古いタイトルを安く入手して楽しむのもよいだろう。
これだけやっても飽きないのは、やはり生身の人間相手の対戦ゲームだからか。数10人規模で仮想空間のサバイバルゲームをプレイできるというのは、想像しただけでもわくわくする。子供の頃、ゲームボーイで通信ケーブルを使って海戦ゲーム『ネイビーブルー』の対戦をした時は、地味なルールながら一人でマリオをするより圧倒的におもしろいと感じたものだ。
ミニマリストはMMORPGよりFPS
同じオンラインゲームでMMORPGのFF11、FF14もやってみたが、そちらはパーティーを組んだり、武器防具のメンテナンスが煩わしく、長続きしなかった。お金のかからなそうな格闘士のジョブを選んでみたが、一人旅だと、モンスターに出会っては1ターンごとにボコボコ殴り合うのを見ているだけ。体力・攻撃力の高い方が勝つ。道具が劣化しても修理するお金やスキルがない。現実世界と同じく貧乏に苦しんだ。
一人でプレイできるのはレベル10くらいまでが限界で、それ以上はパーティーを組んでミッションをこなしていかないと、楽しめなさそうだった。何度 か、見知らぬ人のパーティーに入れてもらったが、単身のときとは比べ物にならないくらい、経験値やアイテムを稼ぐことができた。ただ、自分からパーティー を作ろうとチャットで話しかけても、無視されたりして悲しかった。
結局、好きな時間に参加できて一人でも楽しめる、BF3のようなFPS対 戦が性に合っていると思った。友達と小隊を組めばまたおもしろそうだが、ひとまず一人でもふらっと戦場に寄って、世界中の知らない人たちと殺し合いできる 気楽さがいい。
その点、MMORPGでパーティーを組んでしまうと、待ち合わせに遅れない、戦闘で適切な役目を果たす、チャットで話しかけられたら答える など、実社会と同じプレッシャーを感じてしまう。あくまでシンプルに匿名で対戦を楽しむなら、BF3のようなFPSゲームがバランスがよいと感じる。