ロードバイクでの加速時や登坂中、強めにペダルを回すと1回転ごとに「カツッ」という異音がするようになった。ショップで原因を調べてもらったところ、どうやら後輪のクイックリリースがゆるんでいたらしい。
Jetflyのホイールに付いてきたNovatecのクイックは軽さが売りである。しかし強度に不安があるので、シマノの105タイプに交換してもらった。シマノ製クイックリリースは内部にカム機構があり、ホイールをしっかり固定できるようになっている。
クイックを交換したら見事に異音は解消された。もし似たような音や振動に悩まされている人がいたら、原因はクランクやBBの回転部でなく、後輪のクイックリリースかもしれない。
異音の原因は後輪クイックのゆるみ
バイク走行時に異音がするのはトラブルの前兆だ。以前、ブレーキをかけると変な音がするようになり、そのまま放置していたらホイールのリムが削れてしまった。
ブレーキシューの台座に突起があり、シューがすり減ったらリムに接触して「音で知らせる」仕組みだったらしい。そうとは知らず、安全装置がかえってリムを傷つける結果になってしまった。
今回の異音もBBまわりの摩耗や故障が原因な気がして、早めにショップに相談してみた。この手の音鳴りは原因がいろいろ考えられるようだが、後輪のクイックリリースが怪しいとの診断だった。
輪行後の組み立てで締め付けが不十分だったのかもしれない。あるいは走行中に振動でゆるんでしまった可能性もある。前輪に比べれば後輪のホイール脱落は大事故にいたらなそうなので、チェックが甘かった。
Novatecのクイックはレバーの根元に樹脂パーツが挟まれている。このタイプは軽い代わりに強度が弱いらしい。前輪はともかく、トルクのかかる後輪には軽さより固定力の強いクイックが向いているのだろう。
シマノ製クイックに交換して解決
店内在庫があったクイックリリースは、シマノ105とローラー台向けのもの。重さを測ると以下の数値で、強度は重量に比例するようだ。
- Novatec:40g
- シマノ105:60g
- ローラー台用:80g
ホイール中心部で回転しないため、そこまで重さを気にするパーツではない。間をとって、105のクイックに交換してもらった。試走したら一発で異音が解消されたので、店長の的確な診断に恐れ入った。
ペダリングの際に聞こえる変な音は、クランクにシューズが当たったり、サドルバッグに足が擦れたりという、人為的なものも考えられる。以前、フロントディレイラーのチェーンガイドが歪んでしまい、特定のギア位置でチェーンと接触して音鳴りすることもあった。
今回はクイックリリース単独のトラブルだったようで、その後ヒルクライムやスプリントで負荷をかけても音がすることはなくなった。後輪のぶれも解消されて、わずかにパフォーマンスも上がったような気がする。
シマノ製クイックレバーの内部構造
クイックリリースは自分で簡単に交換できるパーツなので、不安があれば後輪だけでもシマノ製に替えておくと安心だ。デュラエースはさすがに高いが、アルテグラグレードでも2千円くらいで買えることがある。
シマノの説明書を読んでみたところ、クイックレバーの中に内蔵されているカム機構が固定力の秘密だとわかった。レバーを倒した位置より少し前に圧力のピークが設けられているので、遊びをもたせつつも勝手に外れる心配がない。
レバーを押す際の手ごたえからして、Novatecの軽量クイックより明らかに剛性が高いと感じた。前輪はそれほど力が加わらないのか、Novatecのクイックのままでも問題なく乗れている。
ちなみにシマノのマニュアルによると正式名称は「クイックレリーズ」だが、Wikipediaでは「クイックリリース」と説明されている。英語ではQuick release skewerなので、発音的にはクイックリリースでよい気がする。