ロードバイクで4月の奥多摩をツーリングしてみた。
風張峠を経由して奥多摩湖を回る、合計100キロ程度の周回コース。奥多摩周遊道路で事故による通行止めに遭遇したが、自転車なら湖側に下ることができた。
そのまま湖を回って青梅に下り、いくつかのトンネルを抜けて無事に帰還した。途中で寄った檜原村の補給スポット、ミニスーパーの「かあべぇ屋」についても紹介したい。
数馬ヘリポート前の坂がきつい
今回も前回3月に走ったのと同じ、檜原村から都民の森を経由して風張峠にいたるコース。
リハビリと思って決まったコースを毎回走ると、コンディションや強化された度合いがわかって励みになる。
前回は奥多摩周遊道路のゲートより手前の勾配がきついと感じた。
途中の坂をじっくり観察すると、局所的にきついのは数馬ヘリポートの前後区間。次は温泉施設「数馬の湯」を過ぎてからのプチ激坂だ。
これらに比べると周遊道路の斜度は比較的なだらかで走りやすい。距離は長いが、ほとんどサドルに腰かけたままでもこなせる。
最もメジャーな奥多摩周遊コース
今日は風張峠を奥多摩湖側に下って、そのまま湖沿いに青梅方面に下りてみた。旧奥多摩街道を起点に一周すると、ちょうど100キロくらいの距離になる。
ほかのマイナーな峠や林道の方が交通量も少なく気持ちいいが、
- 適度な距離と坂の斜度
- 路面状況の良さ、カーブの安全性
- 補給スポットやトイレの多さ
というメリットを考えると、やはり奥多摩周遊道路が安定して走りやすい。しかし今日は思わぬアクシデントで、峠の途中から通行止めになっていた。
風張峠で交通事故を目撃
風張峠を順調に上り切って月夜見駐車場まで行ってみたところ、第二駐車場の方で交通規制が敷かれていた。
坂を上っている途中で大型のレッカー車に追い抜かれたので、イヤな予感はしていた。工事や間伐用のトラックならわかるが、レッカーとなれば車両トラブルの可能性が高い。
アナウンスによると車とバイクの事故で、しばらく通行止めになるらしい。ここに来るまでの案内板には特に表示されていなかった。ここから戻って迂回するとなれば、だいぶ遠回りすることになる。
檜原村の中心部まで戻って甲武トンネル~鶴峠に向かうか、鋸山林道を経由して湖側に出るか…。このまま引き返してもよかったが、「自転車なら坂を下ってもよい」とのことなので直進してみた。
数年この峠に通っていて、通行止めになるほどの事故を目撃するのは初めてだ。徐行して慎重に下りたが、結局ふもとに着くまでそれらしき現場は見当たらなかった。
川野駐車場で警察の方が話しているのを聞いた感じでは、数台が絡む多重事故だったらしい。場所は山頂の駐車場付近だったのだろう。
車両が大破した痕跡は見なかったので、軽傷で済んでいることを祈りたい。
奥多摩周遊道路の交通事故統計
ついでに東京消防庁が公開している、奥多摩周遊道路の事故統計を調べてみた。
車両別では二輪単独が80%で突出しており、その次は自転車単独が11%。二輪×二輪、二輪×四輪はそれぞれ3~5%で意外と少ない。
二輪はスピードを出して走る人が多い場所なので、何となく危険性はわかる。四輪の走り屋も見かけるが、やはりバイクに比べれば安定性で勝るのだろう。
自転車の単独事故は下りの運転ミスによる落車だろうか。
路面は整備されていて際どいカーブも少ないので、落ち着いてブレーキをかければ安全に下れる場所とはいえる。ただ山奥の峠で下りは疲労も溜まっているはずなので、注意力が落ちればハンドル操作を誤る危険はある。
峠の下り、スピード出し過ぎは危険
自分も富士山あざみラインのダウンヒルでスピードを出し過ぎて、路肩のヤブに突っ込んだことがある。
なんとかバランスを取って落車はまぬがれたが、地面は溶岩地帯だったのでホイールやタイヤを傷めてしまった。別の峠では、路肩にあるフタのない排水溝に落ちかけたこともある。
神奈川県で人気のあるヤビツ峠などは、対向車線を大型のバスが上って来る。下りのブラインドコーナーでうっかり中央分離帯をはみ出てしまい、対向車は来なかったが一瞬死ぬかと思った。
何度か肝を冷やした経験から峠の下りは慎重になった。坂を下るのにスピードを出しても、たいしてトレーニングになる要素はない。爽快感を得られる代わりに重大事故のリスクが増える。
レースでもない週末のホビーライドなら、用心して下るに越したことはない。
ダウンヒルは体が冷える
今日は数日前から天気予報を見ながら、晴れて気温も上がり、なるべく風の少ない日を選んでツーリングに出かけた。
山の天気は予測不能なので、予報になかった雨雲が突然発生して局所的に土砂降りになることもある。今日は午後から南風が強くなったが、おおむね穏やかで走りやすい気候だった。
風張峠の気温表示も16度はあったが、日影で風が出てくると微妙に寒い。峠の下りは、上りでかいた汗で体が冷える。
つくづくヒルクライムはウェアの温度調整が難しい。100キロ超のライドなら、バックパックを背負って上着や手袋の予備を運んだ方が無難だと思う。
コンパクトにたためるタイプのウインドブレーカーでも、ジャージの背中ポケットを占有してしまうのは厳しい。補給のない長丁場において、ポケットにはできるだけ菓子パンやおにぎりを詰めたいところだ。
風張峠は4月でも積雪あり
奥多摩周遊道路のゲートより標高の高い区間では、4月でも路肩に雪が残っていた。
頂上の月夜見第一駐車場でも、雪かきされた痕跡があった。今年は暖冬の折、先週突然降り積もった雪の影響だろう。
そこから湖側に下ると、斜面はほぼ北側・日陰になる。予備で持ってきた薄いジャケットを羽織ったが、それでも肌寒かった。
インナー上下はCRAFTのゴアウィンドストッパー付き。その上にレッグウォーマーまで履いてきて厚着しすぎたかと思ったが、4月の奥多摩にはこれで十分だった。
途中で半袖・短パンのロードバイク乗りと何人もすれ違った。
みなあの格好で都民の森から下ってきたのだろうか。つくづく鍛え方の違いというか、温度の感覚には個人差があるように思う。
休日の奥多摩湖は車が多すぎる
交通規制された奥多摩周遊道路は、パトロールの車両以外誰も走っていない。
川野駐車場まで下りたところで余力があったため、もう一度峠を上り直そうかと考えた。しかし警察の方に聞いたところ、(下りてくるのはOKだが)自転車も通行止めとのことだった。
このまま鶴峠まで迂回するのはハードなので、そのまま奥多摩湖を回って青梅方向に下ることにした。1年前にダホンK3で上ってきたルートを逆回りすることになった。
湖の景色はよいが、周辺の道路は檜原村より交通量が多い。しかも路線バスが頻繁に通るので、停留所で止まるたびに渋滞が発生する。
休日の奥多摩湖は風張峠以上のデスロードだった。二輪も四輪も入り乱れ、路肩は狭くトンネルも多いので、接触しそうでこわい。
トンネルのバンプが危険
奥多摩湖の難所はいくつもあるトンネル。湖側からならトンネル内もすべて下りになるが、バンプが設置されているところもありスピードを出しにくい。
思いのほか凹凸が激しいので、自転車だとハンドルを取られそうになる。しかしゆっくり走っていると後続の車に迷惑がかかるので、そこそこスピードを維持しないといけないのが難しい。
一度などは、トンネルの中で車に強引に追い抜かれた。どうも距離が近くて危ない車だと思ったら、その先の橋で歩道の段差にタイヤをぶつけて、危うく事故になりかけていた。
居眠り運転でもしていたのだろうか。
路上で車を運転しているドライバーが、常に正気とは限らない。どれほど注意していても、後ろから追突されたり急左折で巻き込まれたりしたら、自転車は避けようがない。
今日は事故現場を過ぎてきたせいか、そういうネガティブなイメージばかり思い浮かべてしまう。普通にツーリングしていても、1日のうち2~3回は車がらみでヒヤッとする経験をしているように思う。
檜原村かあべぇ屋の揚げ餅
檜原村を抜ける途中、郵便局の隣にある「かあべぇ屋」に初めて寄ってみた。
2016年にオープンした同村初のスーパーで、全日食チェーンの加盟店になっている。いわゆるフランチャイズ式のコンビニとは違い、個人商店が共同出資したボランタリーチェーン店。
田舎の商店らしく野菜や惣菜から日用品まで幅広く扱っている。自転車用の補給食もピンポイントに揃っていて、品数は少ないが菓子パンやおにぎり、大福のような和菓子も手に入る。
手作り惣菜のコーナーを探したところ、そのまま食べられそうな揚げ餅を見つけた。140円で4個も入っており、カロリー的にも満足度が高い。
こういう惣菜が食べられるところは、普通のコンビニより「道の駅」に近い。
窓際には数席イートインのコーナーもあった。消費税10%に値上がりしてしまうが、事前申告すれば利用させてもらえる。
うぐいすパンも入手可能
さらにパンコーナーには、めずらしく山崎のうぐいすパンも売られていた。
ツーリング中はどうしてもあんパン・どら焼き・大福など中身が「あんこ」ばかりで飽きてくる。エンドウ豆が練り込まれたうぐいす餡だと、少し味に変化を出せる。脂質に比べてタンパク質の含有量が多い、ヘルシー補給食のひとつだ。
特に期待はしていなかったが、レジで電子マネー決済できたのはうれしかった。交通系・Suicaやクレジットカードにも対応して、なにげにキャッシュレスOKな地場商店。
スマホで支払えば、ジャージのポケットから小銭を取り出さなくて済む。サイクリストとしては地味にありがたいサービスだ。
膝の半月板が動いた
青梅街道を下る途中、信号待ちから立ち漕ぎで加速しようとしたら左膝に違和感を覚えた。
内側・前側の手術を受けた個所で、中の半月板がヌルッと動く感じがした。以前ロッキング症状が出ていた時に、膝の固定を解除する際、半月板の切れ端がずれる感覚に近い。
痛みはそこまででもないが、どうにも気持ちが悪い体験だ。半月板を半分以上切除した場所なので、前々から体重を乗せると不安な感じがしていた。気をつけてはいたが、恐れていたことがついに起こった。
せっかく縫ってもらった糸がほどけて、また半月板がずれてしまったのかもしれない。それとも新たな切断面が生じて、遊離したパーツがあるのだろうか。
その後も何回か加速する際、同じ場所がズキッと痛む感じがした。家に帰ってから念のため氷で膝を冷やしているが、今のところ腫れたり痛みが増したりする気配はない。
立ち漕ぎは膝に負担がかかる
担当医から「リハビリに自転車はOK」といわれていたが、立ち漕ぎはまずかったようだ。
体重を乗せてペダルを踏む、あるいは座ったままでも重いギアを回すと、膝に違和感が出る。ツーリングの終盤で疲労がたまっていたせいかもしれない。
今日は峠の上りで何度かダンシングも試してみた。1か月前は足に力が入らず、立ち漕ぎすると不安な感じがした。その後、筋トレで太ももが強化されたおかげか、少しずつ続けられるようになった。
経験上、一度半月板が動いてしまうとクセになる。同じ負荷をかけたときに、またずれやすい。
今のところ原因不明だが、明らかに膝の内部の構造が変わった予感がする。
ここで無理するとまた膝が腫れて再手術。今度は傷んだ半月板の全切除になってしまうかもしれない。
次の診察で医師に相談するまでは、しばらく大人しく様子を見ようと思う。リハビリのために筋トレ・運動は必要だが、やりすぎるとやはり膝を痛める。バランスを取るのが難しい。