NAF厚木トライアスロン参加レポート:ハイレベルなスプリントレース

米軍・自衛隊、厚木基地のトライアスロン大会に参加させていただいた。スイム500m、バイク10km、ラン5kmのスプリントディスタンスで、基地内の道路を周回するコース。

トライアスロンのレースで自衛隊の方はよくお見かけするが、やはり市井のアスリートとは鍛え方が違う。トップレベルの選手の走りを目の当たりにして刺激を受けた。

厚木基地でトライアスロン

昔は厚木基地で一般人も参加できるレースが行われていた。以前、神奈川県でトライアスロン連合の会員だったとき、参加案内を受け取った記憶がある。2012年頃からは、一般に募集されているのを見たことがない。

NAF SPRINT TRIATHLON

今回はNAF(Naval Air Facility)が主催するレースで、参加者は基本的に基地の関係者のみ。知人の紹介で幸運にも参加させていただくことができた。

施設内の屋外プールを利用したスプリントのコースが設定され、参加人数は日本人・アメリカ人が半々くらいで50名程度。仕事がら鍛えている人が多いせいか、小人数ながらハイレベルな戦いだった。

基地入構~バイク準備

6月最初の土曜は梅雨入り前の晴天で絶好のレース日和。横田基地には日米友好祭で遊びに行ったことがあるが、厚木基地に入るのは初めてだ。ゲートの警備は厳しく、パスポートを見せて入構する必要がある。

NAF厚木のゲート

スプリントの距離とはいえ、ラックに並ぶ高価なTTバイクから本気度が伝わってくる。話を聞くと、中にはアイアンマンKONAの出場経験者もいるようだ。基地内ということもあり、そのあたりの市民レースとは漂う緊張感も違う。

開会式は通訳つき

開会式はフランクな感じで、簡単なコース紹介と注意点など。英語だったが通訳してくれた方がいたので理解できた。

オープンコースで車や歩行者もいるので注意せよとのこと。バイクコースに数か所、減速用のバンプがある。タイムはスプリットでなくオーバーオールでの計測とのことだったが、小規模レースながら足首に巻く計測用のチップが用意されていた。

スイムは50mプールを往復

構内にある屋外プールは50mの長さがある。スイムパートはここをジグザグに10往復するかたちで500m。

わりと最近できた施設なのか、設備もきれいであたらしい。6月から基地の方には無料公開されるとのことで、普段から50mのプールで練習できるのがうらやましい。今日のように天気のよい日に泳ぐと気持ちよさそうだ。

事前申告の予想タイム順に、5秒おきのウェーブスタート。一方通行でコースも狭いため、序盤はパレード走行でゆっくり泳ぐのかと思ったら、速い人にたちまち抜かれる。その一方でのんびり平泳ぎしている人もいる。

真水なので飲んでもしょっぱくなく、体がベタベタしないのがうれしい。ウェットスーツもいらないのでお手軽だ。立川の昭和記念公園のように、プールで開催されるトライアスロン大会がもっと増えてもいいと思う。

バイクは基地内を2周回

バイクコースは基地内の外周道路を2周回。やや南風が強く、追い風の区間では45km/hくらい出せた。路面はフラットでほぼ直線なので、始終エアロポジションをキープして快適に走れた。

基地には倉庫や滑走路だけでなく、住宅街とスーパー・飲食店、映画館やラグビーのコートまである。通りにHalsey Ave.とかYorktown St.といった名前も付いていて、ちょっと外国に来たような気分を味わえた。

ときどき道に迷いそうになったが、主要な交差点ではスタッフが案内してくださる親切さ。一周してみると公園やゴルフ場のエリアもあり、基地内の景観は変化に富んでいた。

ランは住宅エリアを周回

ランは住宅エリアを2周回。短い距離なので序盤は飛ばしてみたが、後半は日陰も少なく暑さでペースが落ちた。体質的に長い距離をだらだら走るのは得意だが、短距離走は苦手だ。

参加者が少ないせいか、ランパートになると人もばらけてほとんど単独走だった。多少がんばっても順位は変わらなそうだが、ベストを尽くそうと思って最後まで粘ってみた。

表彰式~お土産

奮闘の結果、総合順位は10位以内に入れた。しかしトップレベルの選手は速さが尋常でない。スプリントなのに、バイクが終わることにはかなりの差をつけられていた。

レース後はお弁当をもらえるサービスがついていた。よく冷えた巨大なブリトーで、渋谷のタコベルより2倍はでかい。DIRTYという名前のめずらしいポテトチップスももらえた。

DIRTYポテトチップス

その後ジムのシャワーを借りて着替えたあと、基地内にあるマクドナルドで軽食。ドル表示だた日本円でも支払い可能で、レシートを見ると1ドル=110円のレートだった。税金がかからないのか、通常より少し安かったように思う。

2年後に再挑戦、粗品が増えた

ご縁があって2年後もNAFのスプリントに参加させていただいた。

開始時間が朝早いので、今回は前日にバイク自走で向かい、基地近くの相模健康センターに宿泊した。厚木基地に用事があるなら、リーズナブルに泊まれる便利な施設だ。

相模健康センター

コースは多少変更されたが、前回と同じスプリントディスタンス。リハビリ中でさすがに順位は下がったとはいえ、久々のレース復帰にちょうどよい距離だった。レース後に振る舞われたおやつはバナナやドーナツなど。

今回は完走賞としてメダルがもらえて、年々景品が豪華になっていくようだ。

NAF厚木トライアスロンのメダル

さらにレースのオリジナルTシャツまでいただけたが、富士山バックの真っ赤なデザインは独特なセンス。貴重なノベルティーグッズとはいえ、派手すぎてなかなか着られる機会がない。NAF厚木の公式ロゴはさらに鳥居付きだ。

NAF厚木のロゴ

東京近郊でスプリントのレースはそれほど多くない。毎年ロングのレースに出るような人なら、シーズン中は毎週末このくらい走って練習しているだろう。せいぜい半日~数時間で終えられるスプリント競技は、レース前の調整や体力測定にちょうどよいと思った。