レバンタール・プラス~あさひとパナレーサー共同開発の極厚タイヤ

桜島ツーリングの終盤で後輪がパンク。そのままフェリーに乗って鹿児島港に移動し、徳之島へ向かう便の乗船手続きを済ませた。

タイヤが2cm近く裂けているので、前回の経験からすると、おそらくパッチ修理では持たない。IRC X-Guardの2本目も寿命をまっとうしたと考え、現地で新しいタイヤを調達することにした。

タイヤのパンク個所

鹿児島のサイクルベースあさひで購入した、レバンタール・プラスというタイヤについてレビューしてみたい。パナレーサーとのコラボ商品であるこのタイヤは、1本3千円という低価格にもかかわらず驚異の耐久性を誇ることが判明した。

レース会場でタイヤは手に入らない

鹿児島新港でチケット購入やバイク預けを済ませて、出発まであと45分。パッと見てタイヤはもう交換するしかないが、徳之島で手に入るかどうかは怪しい。レース会場に物販ブースが出そうな予感はする。しかしチューブはともかく、かさばるタイヤまで販売されているだろうか。

万が一、現地で買えなかった場合、チューブラーはともかくクリンチャー用のタイヤを予備で持ってきている選手などいないだろう。最悪バイクバートでDNSになるリスクを考え、鹿児島市内で急いで調達することにした。

その後のレース会場では、タイヤはおろかチューブも販売されていなかった。出店していたのはジェル類の補給食を扱う1ブースのみ。無理して鹿児島でパーツ調達した甲斐があった。

鹿児島のサイクルベースでタイヤ調達

スマホを頼りに検索した結果、ロードバイク用のタイヤを買えそうな最寄りの店舗はサイクルベースあさひの騎射場(きしゃば)店。マリックスのターミナルから片道2.5kmなので、往復5km走れば30分で帰って来られそうだ。

サイクルベースあさひ騎射場店

さいわい前に歩いたエリアなので土地勘がある。甲突川の橋を渡って、最短ルートでサイクルベースにたどり着くことができた。桜島ツーリングで雨に打たれて疲労困憊。レース前に期せずしてハードなブリックトレーニングを積むことになってしまった。

パナレーサーのレバンタール・プラス

非常用とはいえ、タイヤ一本買えば数年は使うことになる。なるべく品質の良さそうなものを選びたかったが、残念ながらお気に入りのコンチネンタル製品はあさひに置いていなかった。パナレーサー・ツーキニストのような定番商品も取り扱われていない。

その代り、あさひオリジナルの安いタイヤが2千円くらいで並んでいる。迷う時間もないので、700C規格で一番高かったLEVANTER PLUSというのを選んだ。ついでに念のためシュワルベのチューブも購入。

レバンタールとシュワルベのチューブ

「レバンタール」と読むらしいこのタイヤ。実はあさひとパナレーサーの共同開発製品らしい。1本290gと書いてあるので、23Cとしてはヘビー級の重量だ。そのおかげとして、すさまじいほどの耐久性がうたわれている。

フォールディングタイヤに出来る限界の厚みで、驚異の耐久性を誇ります。全面に耐パンクシールドを採用し、トレッドも極厚となっております。貫通パンクに対して3.6倍の強さ(ノーマルレバンタールと比較)。

サイクルベースあさひの商品説明より

折りたたんで店頭に吊るせる限界の厚さ、耐パンク機能に極厚トレッドと説明されているとおり、ゴムのボリュームが半端でない。同じパナレーサー商品でも、ツーキニストやパセラに匹敵するレベルだろう。

決してレース向きとは言えないが、派手なパンクの後だとこのくらい丈夫なタイヤの方が安心できる。

バルブが長すぎた

徳之島のレース会場で受け付けを済ませ、バイク預けの前に買っておいたタイヤとチューブを交換した。

JETFLYホイールのリムハイトが32mmなので、チューブはバルブが長い60mmのタイプを選んだ。しかしリムから30mm近くはみ出た状態になり、安全幅を取りすぎたようだ。

バルブ長60mm

ホイールの外周近くでこの出っ張りは痛い。タイヤの重さだけでなく、空気抵抗の面でもハンデを負うことになってしまった。バルブ長はせいぜい40~48mmで十分だったのだろう。

耐久性・耐摩耗性が高すぎる

レース本場で新品のレバンタールはノートラブル。台風のためコース短縮されたこともあるが、その後、徳之島や奄美大島を周遊しても問題は出なかった。

東京に戻ってから半年間、数100キロは走ったが、レバンタールの耐摩耗性は商品説明のとおり驚異的だ。トレッドが厚すぎて、普通に乗っていてもほとんど擦り減らない。

パナレーサー・レバンタール・プラス

最近になってようやくヒゲが取れてきた。このペースで乗れば5年くらい持ちそうな気がする。交換時期が延びるということで、お財布にもやさしいタイヤだ。

前輪にはめているコンチネンタルのGrand Prixと同じく、レバンタールに替えてからパンクは一度も経験していない。もともとIRCのX-Guardという重めのタイヤを履いていたので、重量差はさほど気にならない。コーナーやウェットな路面でのグリップ性も問題ない。

1,000円安いレバンタールPRというタイヤもラインアップされており、そちらは23Cで222g。軽さとのバランスをとるなら、こちらもありだ。

「あさひオリジナル」と言われると不安になるが、パナレーサーの名前も入っているのでまだ安心できる。レバンタールのシリーズはすべて日本製。海外有名ブランドより格安でも、品質は負けていない。

全国のサイクルベースで手に入る

レバンタール・プラスは定価3,980円のロード用タイヤとして、重さを気にしなければ性能は必要十分にして最強クラスだ。さらにあさひの実店舗で手軽に入手できるというメリットがある。

サイクルベースの経営母体は上場企業の株式会社あさひ。全国ほとんどの都道府県に出店しているので、出先でタイヤまで調達できるのはありがたい。

1本単位の販売価格で比べれば、コンチネンタル・グランプリ4000S2の約半額、ツーキニストの実売価格より数百円安い。ずば抜けてコスパの高いこのタイヤは、ロード用高耐久タイヤの新定番といっても過言でない。

「あさひ限定」というのはもったいないので、ぜひイオンバイクや街中のショップでも取り扱ってほしいものだ。