ジョギング用と普段履きを兼ねて、アディダスの安いランニングシューズを買ってみた。製品名はElement Refine Tricot。ABCマートのセールで税込4,309円だった。
Element Refineの外観
自分はadizeroシリーズだと27.5cmがフィットするが、Elementは28cmを選んでみた。ニット素材の柔らかそうなアッパーに見えて、伸縮性はなくタイトな履き心地だ。
ソールはadizero定番のadiPRINEでもない謎のゴム素材。そこそこ厚みはあり、クッション性は十分に確保されている。
底面がスリックで雨の日は滑りそうだが、普通に歩く分にはまったく問題なかった。シューズの重量は紐とインソール込みで実測228g。
本体は安くても、インソールは取り外しできるタイプだった。元から入っているOrtholiteのインソールは「吸湿・防カビ性に優れる」という説明で、案外高機能なのかもしれない。ペラペラで頼りないが、何もないよりはましだろう。
靴ひもはゴム製のキャタピランに替えておいた。ひもが伸びるのでシューズを着脱しやすくなり、走行中にほどける心配がない。最近のお気に入りで、手持ちのスニーカーはすべて靴紐をこれに替えてある。
50cmと75cmの長さがあるが、このシューズには75cmの方がフィットした。
普段履きにも使えるシックなデザイン
今回は近所の買物や普段履きにも使えるデザイン性を重視して選んだ。ランニングシューズというと派手な見た目が多かったが、海外メーカーから日常利用も想定した外観のシューズが出始めてきている。
昨年発売されたニューバランスのVAZEEシリーズ、カジュアルラインのCOASTあたりもなかなか優れている。旅先で走る際に、シューズを別に持ち歩かなくて済むのは便利だ。
昔、地味なシューズが欲しくて、わざわざmi adidasでオールブラックの配色をオーダーしたことがある。当時はカスタムで2万近くかかったが、既製品では好みに合うものが見つからなかった。
ElementやVazeeのようなカテゴリーの製品が、もっと増えてくれるとうれしい。
廉価シューズの利点を見直す
数年前に流行った『BORN TO RUN』を読むと、「ランニングシューズはペラペラの安物の方が足にいい」という気分になってくる。
それからベアフット用のソールが薄いシューズを試したり、わざと長距離(3年で5千キロ)走り込んで、ソールをすり減らしてみたりした。結果的にマラソンのタイムは変わらず、足があちこち痛くなり故障が増えただけだった。
その反省で、最近はなるべくソールの厚い安定志向のシューズを選ぶようにしている。そして「クッション性が高い」という点では、アシックスGT-2000のような高級シューズと、JOG 100のような格安シューズでさほど違いがないように見える。
むしろ初心者向けの廉価シューズを履いた方が、下手な軽量モデルより足の故障を防げるのではないだろう。価格は安いがソールの耐久性もよく、長持ちしそうだ。
自転車のホイールにたとえると、完成車についてくるシマノWH-R500。つくりが丈夫で、下手なフォームでもめったに壊れない。そして練習中は重いシューズやホイールを履いた方が、かえってトレーニングにもなる。
レース本番では目標タイムに見合ったハイスペックなシューズを履くとして、練習にはadizero以下のElementシリーズで十分な気もする。