キャノンデールのレンタルMTB、SL4で石垣島一周ツーリング

キャノンデールのSL4というMTBを借りて、石垣島を一周してみた。

南国の日差しで激しく日焼けしたが、観光もグルメも楽しめて充実した一日になった。

石垣島一周コース

石垣島の南西にある市街地から、時計まわりで外周道路を走る。

御神崎や平久保崎の灯台に到達して、途中で寄り道したマーペー登山も含めると、走行距離は130キロくらいになった。

石垣島STRAVA石垣島STRAVA

道路は整備されているので、ロードバイクやクロスバイクがあれば一日で回れるコース。ソーキソバの名店やパイナップル直売所もあり、道中でグルメも楽しめる。

問題点としては、南国の日差しで体が激しく日焼けすること。

それさえいとわなければ、自転車で島一周するのは石垣島でおすすめのアクティビティーといえる。

石垣島のレンタサイクルショップ

レースで使用したロードバイクは、サイクルヤマト便ですでに送ってしまっている。

普通のママチャリはレンタルできそうだが、できればもっと高性能な自転車を借りたい。石垣島にあるレンタサイクルのお店を調べてみた。

POTTARI(高級ロード7千円~)

POTTARIというサイトで、アルテグラ装備のFELTやTREKのカーボンバイクを7,000円~で借りられる。プラス1万円で、ホイールをシマノのディープリムC50に換装できるサービスまである。

普段乗っているロードバイクよりはるかにスペックが高く、余裕でレンタカーを借りられる値段。さすがに1泊1,500円の安宿を渡り歩く旅では予算が足りず、今回は見送った。

丸玄新栄自転車商会(中級ロード5千円~)

フェリーターミナルから歩ける距離に、丸玄新栄自転車商会というショップがある。

石垣島の丸玄新栄自転車商会

サイトの説明によると、有名なロードレーサー新城幸也の御用達という触れ込み。大量のロードバイクが並んでおり、お店の方に聞いたところレンタル価格は1日5,000円だった。

エイトサイクリング(MTB2,500円~)

もう少し粘って探したところ、マウンテンバイクを安く貸してもらえるショップが見つかった。

石垣島のエイトサイクリング

離島ターミナルの対岸区画にあるエイトサイクリング。GIANTやGTのMTBが1日2,500円ということで、他店よりも大幅に安い。

CannondaleのSL4をレンタル

朝9時開店と同時にエイトサイクリンにお伺いした。

島一周ライドの計画をご相談すると、店長がお勧めしてくれたのはCannondaleのSL4。MTBのことはよくわからないが、タイヤが大きい(29er)ので長距離を走るに向いているらしい。

石垣島で借りたキャノンデールSL4

ロードバイクに比べるとタイヤは極太だが、乗ってみるとそれほど重さや抵抗感を感じなかった。前輪にサスペンションがあり、マンホールや側溝のちょっとした段差は難なくこなせる。

レンタルMTBのホイールとタイヤ

車でいうと、制御がシビアなスポーツカーから中型のトラックに乗り換えたくらいの感覚だ。海風の強い外周道路をガンガン飛ばすにはもってこいというイメージ。

サイコンも最初からついていて、速度確認ができるのはうれしい。万が一日が暮れたときのために、ライトやバッグもつけてもらえた。

レンタルMTBのハンドルまわり

フラットバーのハンドルを使うのは久しぶり。シフターもロードのSTIレバーより操作しにくいが、数時間乗っていれば慣れた。

御神崎灯台を目指して北上

市街地から反時計回りで出発。県道79号を伊原間の交差点までひたすら進む。

最初に目指すのは北西の御神崎(うがんざき)だ。

山間部を過ぎて西側の湾に沿って走る。石垣島は宮古島に比べて山がちで、沖縄県最高峰526メートルの於茂登岳(おもとだけ)が存在する。マングローブの生い茂る湿地帯を過ぎて、ひたすら海岸沿いの道を進む。

石垣島の道路

さほどの標高差はないとはいえ、宮古島と同じく石垣島も外周道路のアップダウンが激しい。日焼け止めを塗っても効果がないくらいの強い日差しで、両腕に水ぶくれができてきた。

川平湾(かびらわん)に向かう前の交差点を左折して、御神崎の灯台に到着。

御神崎の灯台

灯台を過ぎた先には遊歩道があり、先端の岩場近くまで歩いて行ける。荒波で浸食された奇岩を見られる。

御神崎の岩

灯台まで来た道を戻り、牧場の馬や牛を見ながら川平湾に向かう。

岬の方まで行けるだけ行ってみようと思ったが、途中で通行止めになってしまった。路面も砂利道に変わったので、おとなしく引き返した。

川平湾~野底マーペー

川平湾はボートに乗る観光客で賑わっていた。

近くの観音堂の高台から見下ろすと、入り江の仕組みがよくわかる。時間があればグラスボートで船の中から海中を見たり、無人島探検したりするのも楽しそうだ。

川平湾

しばらく東に進んでから「ヤマバレ食堂」で早めにランチ休憩。

ここから先しばらく補給スポットがないので、石垣牛のハンバーグ定食をがっつりいただく。店内はバスでやって来た団体客で混んでいた。冷房はないが、湾をのぞむテラス席が静かでおすすめだ。

ヤマバレ食堂のテラス席

米原ビーチは市街地から遠いこともあって、わりと閑散としている。遠浅なため、潮の状態によってはリーフの近くまで歩ける。

米原ビーチ

途中で米子焼工房という施設があり、巨大なシーサーがたくさん展示されていた。中には岡本太郎の作品のように、シーサーには見えない奇怪なオブジェもある。

石垣島の米子焼工房

ここから先、島の北側は売店も自販機もない過酷なルート。ただし路面の状態は良いのでMTBでも快適に飛ばせる。

石垣島の北側の道

しばらく進むと、先端がとんがった奇妙な岩山が見てくる。野底マーペーと呼ばれる観光名所らしく、寄り道して登ってみた。

マーペー登山のレポートはこちら。

危険な藪道をかき分け、石垣島の絶景スポット野底マーペーに登頂
MTBで石垣島一周するついでに、野底(のそこ)マーペーという変わった山に登ってみた。 石垣島では於茂登岳の方が標高は高い...

標高は低いが登山道が荒れているので、決して万人向けではない。少なくとも短パン・サンダルでは立ち寄らない方がいい。

明石食堂で名物のソーキソバ

マーペーから下りてしばらく進むと、北東にある平久保半島への分岐点に到達。

時間に余裕があったので、半島の北端まで往復することにした。交差点を左に折れて、さらに北に向かう。

平久保半島も山がちでアップダウンが激しい。ほどなく中間地点で赤石集落に到着。ここで噂に聞く明石食堂(あかいししょくどう)に寄ってみた。

石垣島の赤石食堂

こんなへんぴな場所でも平日昼間は行列ができる人気店らしい。さいわい14時過ぎの遅い時間だったので、座席は半分くらい空いていた。

ツーリング中、2回目のランチとしてソーキソバ(中)850円をいただく。

赤石食堂のソーキそば

どんぶりの中に座布団のように浮いているソーキは氷山の一角。スープの下には、2センチくらいのぶ厚い肉が沈んでいる。

じっくり煮込まれたスペアリブは軟骨までトロトロ。熱中症予防の塩分補給も兼ねて、スープは一滴残さず飲み干した。

石垣島最北端の平久保崎灯台

赤石の集落を過ぎて平久保崎に到着。

御神崎とよく似た灯台があり、高台に上ると絶景を拝める。石垣島の「最北端」標識前では、撮影待ちの行列ができていた。

平久保崎の灯台

赤石集落の南側にサビチ鍾乳洞の入口があった。ここは日本で唯一、出口が海につながっている鍾乳洞として有名。しかし日没まで時間がなさそうだったので、今回は見学をスキップした。

サビチ鍾乳洞の看板

灯台からの帰りは打って変わって強烈な向かい風。このまま島の東岸を空港まで30キロ近く走ることになる。

石垣島の東側の道

先ほど食べたソーキソバで喉が渇いてきたところ、道端のパイナップル屋が目に入った。石垣島の中にはあちこちにフルーツの即売所がある。

石垣島のパイナップルショップ

500円でスナックパイン1個を購入。半分はそのままいただき、残りは生絞りジュースにしてもらった。さらにおまけで種類の違うピーチパインも一切れいただいた。

石垣島のパイナップル2種類

石垣島では市街地の商店やスーパーなど、いたるところでミニサイズ100円~のパイナップルが販売されている。しかし宮古島は土壌がアルカリ性のため、パイナップルが育たないらしい。

パイナップルを目当てに南の島を訪れるなら、宮古島より石垣島の方がおすすめだ。

玉取崎展望台~新石垣空港

伊原間の交差点を直進すると、玉取崎の展望台が見えてくる。

せっかくなので坂道を上って展望台まで寄ってみた。

玉取崎展望台

展望台から島の東岸にあるサンゴ礁が見渡せる。眺望としては、先ほど登ったマーペーの方が大迫力。玉取崎は車で気軽にアクセスできるのがメリットだ。

公園の茂みに野生化したウサギを発見した。

石垣島のウサギ

強烈な逆風の中、石垣島の東岸を南下。

一部の区間は上り坂がきつく、登坂車線も出てきた。ただし交通量は多くないので、自転車でも淡々と漕いでいける。

ほどなくして石垣島の空港に到着。

石垣島空港の誘導灯

遠くから大きな構造物が見えると思ったら、滑走路の誘導灯だった。

白保~サザンゲートブリッジ

白保の集落を過ぎて宮良川に到着。河岸にマングローブが茂っていて、いかにも南国という風景だ。

石垣島の宮良川

川の上をパドルで漕いで行く人がいる。ここはカヌーも楽しめるスポットらしい。

宮古島は山地や川がないせいか、ビーチ以外は単調な景観だった。それに比べて石垣島は地形が複雑で変化に富んでいる。海で泳ぐ以外のアクティビティーも充実している。

レンタサイクルの返却時間には少し余裕があったので、サザンゲートブリッジを渡ってみた。この先は人工島らしく、観光的な見どころは特になかった。

石垣島のサザンゲートブリッジ

海岸に到達する前にゲートで行きどまり。ここは車がほとんど来ないため、ジョギングする部活の中高生や地元住民でにぎわっていた。

港に停泊している巨大な客船が見えた。これが波照間島の宿で噂を聞いた、台湾からやって来るアクエリアス号らしい。案の定、市街地は中国人の観光客でごった返し、土産物屋や飲食店は瞬間的に大繁盛していた。

石垣島に停泊中の客船アクエリアス

9時から19時までの1日コースで借りたレンタサイクルを返却。

なるべく島の外周を回ったつもりだが、西側の観音崎は見逃してしまった。内陸部のバンナ岳にも行けなかったので、滞在中に余裕があればもう一度MTBをレンタルして探検してみたい。

キャノンデールのSL4は100キロ以上走ってもノートラブルだった。タイヤの太いMTBでも、29インチの大径ホイールのおかげか、ロードバイク並みに高速巡航できた。

A&Wでルートビア飲み放題

石垣島のA&W

夕食はA&Wで特大バーガーをいただいた。名物のルートビアはお代わり無料だったが、Sサイズ2杯ですぐに満腹になった。

A&Wのルートビア

今日の走行距離はトータルで約130キロ。

途中でマーペーや人工島にも寄ったので、外周だけ走って平久保半島まで往復するコースなら、もう少し短い距離になるだろう。

せっかく石垣島まで来たのなら、空港と市街地を往復するだけではもったいない。道路の状態は良く交通量もおだやかなので、ロードバイクやMTBを借りて島一周するのもおすすめだ。

島の外周には観光的な見どころやグルメスポットも多く、充実したツーリングになった。