トライアスロンのレースに向けて、サドルの後ろにボトルホルダーを追加できるように改造した。サドルレールに取り付けるタイプのマウントを追加すれば、ボトルを1~2本追加で持ち運ぶことができる。
フレーム上にボトルケージを取り付けるより「空気抵抗を減らせる」というのが本来の目的。しかし実際に使ってみると、単純に「運べる荷物が増える」という意味でも便利なアイテムだとわかった。ツールボトルや輪行袋、予備チューブやクリートカバーなど何でも収納できる。
しかしサドルの後ろは揺れが激しいのか、取り付けていたプラスチック製のボトルケージが2本続けて壊れてしまった。ここに高価なボトルケージを取り付けるのは待った方がいい。安くても強度のあるアルミ製ケージに交換したら、問題は解消した。
サドルマウントケージの調整方法
購入したのはシマノPROのサドルマウントケージ。PROFILE DESIGNの定番品よりシマノの方が若干安かった。
頑丈なアルミ製だが、サドルレールへの取り付け金具はやや弱い。走行中にネジがゆるんでくるので、たまに締め直さないとマウントごと外れそうになる。
シマノのマウントケージは金具の取り付け方向によって2種類の角度を選べる。水平に設置した方が、後ろに手を伸ばしてボトルを取りやすい。しかしサドルよりボトルが上に出てしまうので、車体をひっくり返してメンテするときに地面に当たってしまう。
またバイクに乗り降りする際も、ボトルが股に当たって邪魔になる。特に長時間乗ったあとに下りる際、油断するとうっかり足を引っかけて転びそうになる。大事故にはいたらないが、ビンディングの立ちごけみたいで恥ずかしい。単に足が短かくて股関節が固いだけかもしれない。
いろいろ検討した結果、アームの方向は斜め下の向きに落ち着いた。サドルバッグを吊るすスペースが圧迫されるが、代わりにサドル後方にリアライトを設置できる。SELLE SMPの楕円形ロゴがある部分にゴム片を巻き付けると、CATEYEのライトをうまく装着できた。やや不安定だが実用上は問題なさそうだ。
ボトル収納スペースの拡張
TOPEAKのサドルバッグ、エアロウェッジパック(Sサイズ)はぎりぎり隙間に収められた。しかしマウントケージと干渉して中身を取り出しにくくなる。組み合わせとしては、横からオープンできるバッグの方がベターだろう。
よく見ると、マウントケージの2本のアームに間に微妙な隙間がある。付属のバンドを使って、ここに予備のチューブや小物を収納できるらしい。普段はシューズのクリートカバーを差し込んでおくようになった。ビンディングシューズのまま移動する際には、なにかと重宝するアイテムだ。
フレーム上のボトルケージを車体後方に移して、空気抵抗の減少を図るのがレース向けの使い方。しかし両者を合わせれば、ボトルを4本運べるようになる。
特に夏場の水分消費が激しい時期は、ボトル1本では補給か心もとない。さらにツールボトルや輪行袋も携帯できるので、輪行・ロングライド向けの便利グッズとも考えられる。重量は増えるが、レース以外でもサドルマウントが活躍する場面は多い。
サドルの後ろは揺れが激しい
先日の奥多摩ツーリングで、サドルマウントに取り付けていた樹脂製のボトルケージが折れてしまった。若干きつめのGIANT製輪行バッグを、無理して差していたせいかもしれない。
ノーブランドの安物だったので仕方ないとあきらめ、もう少しましなBlackburnのSLICKに交換してみた。するとこちらもすぐに折れた。
台座との接点4か所のうち3つが折れて、かろうじてぶら下がっている状態。転がりやすいツールボックスを入れていたので、脱落して紛失する前に気づいてよかった。
SLIKはプラスチック製で軽量なわりに、ホールド感はしっかりしていた。フレーム上では2年ほど問題なく使えていたので、マウントとの相性が悪かったのだろう。
因果関係を推測すると、どうもサドル後方のポジションはボトルケージが傷みやすいらしい。重いボトルやツール缶を差すと、走行中に揺れてケージの台座に負荷がかかると推測される。
マウントは頑丈でも、ケージの接合部が応力に耐えられないようだ。PROFILE DESIGNのサドルマウントに付いてくる樹脂製ケージがやけにごついのは、それが理由だったのかもしれない。
金属製のボトルケージに交換
安価なポリカーボネート製のボトルケージでは持たない気がしたので、今度はアルミ製に交換してみた。選んだのはBBBの「フューエルタンク」。ビックカメラの自転車コーナーに並んでいた中では、最も丈夫そうに見えた。価格も千円以下と安いので、同じものを2個買っておいた。
通販ではカラーバリエーションも豊富だ。ブラックでも「ツヤあり/なし」と2種類選べたりする。
台座とアームはしっかり溶接されていて、コーナー部分には滑り止めも兼ねた樹脂パーツで補強されている。点で支持する仕組みなので、ボトルの脱落を防ぐと同時に、取り出しにくくなるデメリットも抑えられる。廉価ながらも、よく考えられた製品だ。
ツールボトルや輪行袋を収納する際は、命綱としてビニールタイで結び付けておくようにした。数回ツーリングで使ってみたが、BBBのFUELTANKは安定感抜群。「知らない間に後ろの荷物がすっぽ抜ける」という不安がなくなった。ジャイアントの輪行袋も問題なく収まるサイズ。
もう少し細くて軽いミノウラのジェラルミン製DURA-CAGEに替えてみたところ、こちらもノートラブルだった。とりあえず素材が金属製なら、走行中に折れる心配はなさそうだ。
サドル後方にボトルを差すと、走行中は後ろを見ないで手探りで着脱することになる。高価なカーボン製のケージだと、うっかり自分で折ってしまいそうなのも怖い。もともと重量差の少ないパーツなので、サドルマウントと同じアルミ製でケージもそろえた方が無難といえる。