資格試験の勉強がはかどるシェアハウス・シェアオフィス活用法

一級建築士の受験勉強がはかどる環境として、シェアハウスやシェアオフィスも推奨できる。契約料金は割高になるが、街中のカフェよりは環境や設備がいい。場合によっては同居人から仕事を紹介してもらえたり、のちのち仕事の面でもメリットが期待できる。

勉強の緊張感を保つ工夫

勉強場所を家の外に移す目的として、「他人の目があり、適度に緊張感を保てる」という利点がある。図書館はともかく、スタバで鼻をくそほじったり、靴下を脱いでくつろいだりするのは憚られる。

あるいは家族やペットに邪魔されず、仕事や家事から頭を切り離せるというメリットもある。仕事を休んで100%試験に集中できる受験生は稀だろう。「いかに効率よく、集中できる学習時間を確保するか」というのが、合格に向けた最初の課題といえる。

コーポラティブ/コレクティブハウス

自宅、職場、カフェや公共施設を3つの居場所カテゴリーとすると、その中間領域に位置づけられるのがシェアハウスとシェアオフィスだ。考え方によっては、空間・設備を他人とシェアする目的以外に、効果的な学習スペースとして活用できる。

学科試験・計画分野の過去問として、2011年オープンの「りえんと多摩平」というシェアハウスが出題されたことがある。似たようなコーポラティブハウス、コレクティブハウスという用語も頻出だ。

他人との共同生活を前提とした集合住宅は、約100年前に北欧で始まったとされる。炊事・洗濯はともかく、便所や風呂まで共有するのは敷居が高かったと思われる。近年、経済的メリットやコミュニケーションを重視したルームシェアの延長として、ようやく普及してきた感がある。

シェアハウスを借りる

未婚単身者の世帯が増えるにつれて、需要が減った集合住宅をシェアハウスにリノベーションする案件はどんどん増えるだろう。受験勉強の期間だけでも、ためしにシェアハウスに住んでみるか、郊外の安い物件を借りて2拠点居住を試してみると参考になる。

シェアハウスの規模はまちまちだが、数10人暮らせるような大型の物件はたいてい共用スペースが充実している。ラウンジや勉強部屋に平行定規を持ち込んで、作図の練習をするのがおすすめだ。ヘッドフォンで音楽を聴きながら作業すれば、まわりの雑音も気にならない。

逆に、昨年サブリースの破たんで話題になった「かぼちゃの馬車」系の格安物件は避けた方がいい。同じシェアは数を名乗っていても、パブリックスペースが貧弱だと同居人の交流も生まれない。

シェアハウスは「住人同士のコミュニケーションが付加価値」と考えられている。そのため、個室は狭くても賃料がまわりの相場より高かったりする。ユーザー層としては20~30代が中心。今どきはフリーランスとサラリーマン、外国人、学校の先生などいろんな人が住んでいて、もはやギークやヒッピーだらけの無法地帯ではない。

シェアオフィスを借りる

同じくシェアオフィスというサービスも受験勉強に有効活用できる。基本的にデスクの場所貸し、WiFi・電源インフラやフリードリンク程度のサービスなので、場所によっては月額数千円から契約できる。

カフェや公共施設をはしごしてもよいが、定位置で勉強を習慣化したいなら、通いやすい場所にあるシェアオフィスを借りるのもありだ。あるいは予備校に通っているなら、授業のない日に自習室を活用するのもいい。

全世界チェーンのリージャス

ローカルなシェアオフィスはあちこちに出現しているが、メジャーなサービスとしてはリージャスが挙げられる。場所によって席数に限りはあるが、安定したWiFi環境と無料のコーヒーを利用できる。

まわりはもっぱら仕事で利用する人ばかりなので、街中のカフェやイケアのように騒々しいことはない。常連になると、受付のお姉さんが差し入れのケーキを持ってきてくれたりすることもある。

最近はリージャスの拠点が増えて、東京だけでも100件くらい存在するのではないかと思う。毎日場所を変えつつ移動すれば、マンネリ化を避けられる。たとえば新宿だと、パークタワーの高層階にあるビジネスセンターはキャパが広い。ターミナル駅の周辺だけで5個くらいオフィスが存在する。

ちなみに昔は、ダイナースクラブカードの無料オプションでリージャスのゴールドカードをもらうことができた。

シティバンクのリテール撤退にともない、真っ先に廃止されてしまったのが残念だ。会員だった期間は博多から仙台まで、全国にあるオフィスや会議室をテンポラリーに利用させてもらった。

勉強以外にも使える

ゴールドメンバーは、自腹で月数千円払っても加入する価値のあるサービスだと感じた。以前はエリアを絞った格安プランでラウンジだけ利用できたが、最近ルールが変わってメンバーシップの料金は値上がりしたようだ。

物静かな作業環境として、建築士の勉強にも適している。プリンターやコピー機を利用できるのも、カフェにはないメリットだ。

特にフリーな職業なら、地方の出張先でもラウンジを借りて作業できるのがありがたい。有料オプションで会議室を借りれば、クライアントやパートナーとの打合せに活用できる。

仕事を紹介してもらえるかも

外回りや出張の多い職種の人なら、全国チェーンのシェアオフィスは有意義に活用できると思う。あるいはローカルなオフィスに拠点を定めて、同居している士業の人やデザイナーさんと交流も深めるのもいい。

フリーな人はお互い仕事を融通し合う風潮があるので、建築士も近くにいると重宝される。逆にウェブやDTPのデザイナーがまわりにいれば、設計がらみの関連業務をお願いできる。

そういう目的なら一般的なビジネス向けシェアオフィスより、みどり荘や世田谷ものづくり学校のようなクリエイティブ系施設の方が向いていると思う。シェアオフィスも数が増えて、すみ分けが進んでいる。